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こんな夜にはこんな読書「ボロボロになった人へ」

2005-10-29 00:53:08 | こんな夜にはこんな読書
こんな夜にはこんな読書「吉祥寺幸荘物語」
こんな夜にはこんな読書「美少年」の世界を
あたしに教えてくれた、同僚のN。

前日に衝動買いしたという、
Lily Frankyの「ボロボロになった人へ」を
一日で読み終わり、
翌朝貸してくれた。

あたしはNの笑いのセンスや
仕事や勉強に対する冷静で勤勉なスタンス、
物事の理解の仕方、
言葉の選び方がすごく好きで
あの落ちついた雰囲気を手に入れたいと
常々思っている。

同時に彼が選ぶ本は趣がある。
彼の人間性に近づくのには
彼が選んだ本を読んでみるのが近道なのかもしれない。

リリー・フランキーの小説を読むのは初めてで
シュールなおもしろいオチのある話ばかりかと思いきや、
叙情的な、心にクっとくる話も書けるのを知った。

クっときた言葉を引用。
「きれいだ、愛しいと感じるなら、ただ眼で見ればいい。
 その時、レンズを通す時間が勿体ない。
 自分の眼で見て、触れればそれでいい。」

「こんな電話ひとつに縛られてきた生活から抜け出せた。
 なんで今まで、充電が切れたといっては
 コンビニで簡易電池を買ってまで、
 この連絡網に隷属していたのだろう。」

「智に働けば角が立つ。
 情に棹させば流される。
 意地を通せば窮屈だ。
 兎角に人の世は住みにくい。」

急に寒くなって
起きれなくなった朝。

疲れがとれない身体でうだる。

あたしをして
毎朝会社に行かしめたのは
電車の中でこの本を読めるから、という
この上ない楽しみだった。
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