旅する小林亜星

小林亜星情報満載

旅する小林亜星

2008-06-05 15:34:02 | 旅人
というわけで
31歳にしてニュージーランドにワーホリしに来てみる。

世間ではギリホリと言うらしい。

ニュージーランドのワーホリビザは
31歳の誕生日前日までに入国しなくてはいけないという条件があって

あたしが入国したのは31歳の誕生日の6日前だったので
ぎりぎりもいいところだ。

3月にビザが有効になってから一度帰国して
仕事の引継ぎを2ヶ月で終わらせて

やっと今ここにたどり着いた。

ずいぶん回り道したな。
「旅する小林亜星」はじまり、はじまり。
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釧路

2008-05-31 01:40:30 | 旅人
2年前に実際に蛇行を見ることを求めてからというもの
ずっとずっと訪れようと思ってた釧路湿原。

このたびやっとタイミングが巡ってきたので
行ってみることにする。

まず400円払って釧路市湿原展望台の上から湿原を望んでみたけれど
全然ハートに来るものがなかったので

2.5キロの北斗木道を歩くことにする。

ただ自然が生い茂った道かと思いきや
突然視界が開けてサテライト展望台に到着した。

濃緑の湿原を期待してたので
まだ去年の湿原を具えていた茶色っこい原っぱに幻滅した。

しかしよくよく見てると次の瞬間には
あまりにも広大な面積の湿原に度肝を抜かれた。

見渡す限りの無制限な視界は今まで見たことのない、
常識を超えた光景だった。

あまりに圧倒されて泣きそうになった。

何もない、
ただただ何もない何もなさに絶句した。

何もないのに
何時間でもいられる、飽きない場所。
そんな場所だった。

そして今日は「トリアングル」を持って電車に飛び乗った。

蛇行を体感すべく
カヌーから湿原ウォッチング3時間。

塘路湖から入水してカナディアンカヌーの一番前に座る。
漕がずに漂ってる感じが好きだ。

いよいよ釧路川に差し掛かって
両側に湿原が存在してる。

控えめで穏やかで水の流れさえも聞こえない釧路川の上で
ただひたすら鳥の声に耳を傾ける。

旧緑と新緑がひしめき合って贅沢だ。
またしても泣きそうになる。

とことん豊かだと思う。

後ろにいるインストラクターは26歳の素朴なイケメン。

大学卒業後、カナダにエコツーリズムを勉強しに行き
そのままカナダでガイドの仕事をしてたひと。

釧路川のよに穏やかに自然に生きてるよに見えるひと。

思ったより大きく緩やかに蛇行してる釧路川。
蛇行の外側が削れて、どんどん形を変える川。

自分の人生が蛇行してるかどうかなんて、すっかり忘れて
そこにある空気を思い切り吸い込んだ。

めったに見れないという丹頂鶴に遭遇した。
いつの間にか曇ってた空から太陽が覗いて暖かくなった。

あたしの人生、蛇行してたとしても
幸先よいかもしれない。

今が、今こそが、ここに来るタイミングだったんだと。
ふたりではなく、ひとりで来るべきところだったんだと。
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社交

2008-05-31 00:13:46 | 旅人
沖縄の社員旅行の1日目夜、
宴会のあとホテルに向かうバスの中で
後ろの席の営業さんがこれから風俗に行くという話をしてた。

「愛は、むずかしい」で描写されてた、

「重く澱んだ、粘り着くような夜」に
「緻密な肌の女とそっと躯を合わせる瞬間の、
 あの気懈さまじりの不思議な昂ぶりを」少しだけ味わってみたくて

はじめて話すひとだけど
付いてってもいいですかと言うと

営業さんは恥ずかしがることもなく、すんなりOKしてくれた。

23時ごろ、ホテルの前からタクシーに乗り
「真栄原」という街を目指す。

しきりにお金のことを気にしているようだったので
行きのタクシー代は社会見学代だと思って払うことにした。

タクシー運転手さんもなかなか話がわかるひとで
あたしが見学に来たことを知ると

女のひとが真栄原の街中を歩くと変なことになるからと言って
タクシーでゆっくりと街を流してくれた。

赤線とも言われるだけあって
いやらしいピンク色の蛍光灯が煌々と灯されている、
小さい店のドアが開いていて入り口付近に女のひとが座っている。

なんとも妖艶だ。

「真栄原社交街」と書いてある入り口に戻り、タクシーを降りた。

営業さんは軽く一杯やろうと言って
いっしょに居酒屋に入った。

営業さんは30歳で、
合コンで知り合った40歳の女性に恋してるとのことで

あたしと同じ、B型の彼女の言動に振り回されているようだった。

彼女の言動はあたしにはよく理解できる類の天邪鬼的なものだったので
それは照れ隠しだとか、それはやきもちだとか

B型的視点から解説した。

30分くらい飲んでから
営業さんは出動した。

あたしはレバ刺しなどをつまみつつ
ソフトドリンクで読書をして

営業さんがことを終えるのを待った。

25時過ぎて
汗ばんだ顔した営業さんがご帰還された。

タクシーに再び乗り込んでホテルに向かった。

タクシーの中で営業さんの収穫を聞いた。

営業さんは女のこを物色しつつ
何人かと交渉したものの、

最初によいと思っためがねっこのところに戻ったところ
すでに営業中になっていたので諦め

次にいいと思ったこのところで30分10000円で手をうったようだ。

ちなみに15分5000円と30分10000円の違いはなにかと言うと
後者はキスを含め、なにかとオプションが付くようだ。

最後には射精できたものの、
実はあまり気持ちよくはなかったそうで。

そんな話をしてるうちにホテルに着いたが
エレベーターの中で「今度オレとどう?」と営業さんが言い出した。

風俗に付いていくあたしもあたしだけど
風俗に付いてきた女をセックスに誘う営業さんも営業さんだ。

あまり魅力を感じてなかったし
どうせやりたいだけなのだろうと思って

「また来年にでもよろしくです」とかわいらしいよに言ってみたら

営業さんが「あ、わかった」と言った。

続けて
「それがB型の照れ隠しってやつでしょ」と。

その推測は完全に間違ってますと言うのも面倒くさく。

営業さんにおやすみと言ってから、ひとっ風呂浴びて
営業さんの部屋に集まって飲んでるひとに退職の挨拶をしようと行ってみると

ドアが半分開いていて
中から話し声が聞こえた。

営業さんの上司の声だ。

「じゃぁ、ここで大事なのは
 あまり時間がないアキ男。さんにどう営業さんがアプローチするかだよ・・・」

どうやら営業さんはあたしとセックスしたいだけではないらしい。

聞かなかった振りをして部屋に入って行くと
みな「うぉー、来た来た」と盛り上がった。

軽く挨拶をして部屋を出た。

数日後営業さんからメールが来て
ごはんに誘われた。

どういうタイミングであたしに魅力を感じたのか・・・
男の気持ちはよくわからない。

ところで社員旅行の最終日に空港で
ほかの同僚に聞いたところ、

ホテルの裏の辻という町では
50分8000円だったそうだ。

なにも真栄原まで行かなくてもよかったんじゃん。
タクシー代返せ。

3200円。
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働休

2008-02-08 00:43:10 | 旅人
08/01/18 思いつき始動
08/01/19 カウンセリング
08/01/20 情報収集、暫定決意
08/01/21 航空券予約、写真撮影、パスポート切替申請
08/01/23 宿泊先確定
08/01/26 会社打診 
08/01/28 新パスポート受取
08/01/29 レントゲン写真撮影、申請完了
08/01/30 レントゲン写真送付
08/01/31 会社承認 
08/02/05 レントゲン写真配達完了
08/02/07 申請承認

08/03/20 あたしの冒険はじまり、はじまり
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撮影

2008-01-19 23:54:23 | 旅人
去年の12月、
長野の戸隠に行ったときのこと。

とても有名らしいけれど休みだった蕎麦や、「うずら家」の前で
何やら撮影をしてた。

あたしはその時分、「そばの実」という蕎麦やに急いでいた。
1時間ほどして戻ってくると撮影はまさにクライマックスで

そこを通らないと宿に帰れない道を行こうとすると

ADぽいひとに「通らないでください」と言われた。
一般道なのに。

あとから聞いたことには
サントリーのお茶の新製品の発売に伴った撮影らしい。

頭の回転があまりよくないあたしは素直に指示に従ってしまったけれど
「ご協力お願いします」のひと言もなしに
ただ自分たちの都合で「写っちゃうんで通らないでください」とは
何様だと思ったわけで。

ポップなデザインの借りた長靴履きのいけてないあたしは
戸隠神社までの往復2時間の雪道を通りぬけて神聖で新生で

軽く後姿くらい写ったって罰は当たらないよってな感じで、サントリー様。

ところで件のお茶は
「信州戸隠うずら家監修 健康そば茶」という名前で
1月22日に発売予定らしい。

絶対に買ってやらないと誓ってみたものの。

あたしの頭の回転の悪さは
怒りな感情がすぐにカっとこず
あとからグツグツ煮えてくるので

無駄に相手に怒りを示すことが少なく
ちょうどいいのかもしれない。

ここに件の新製品の画像を載せないことで
巨大な組織に抗ってみたつもりで。
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旅男

2008-01-18 22:32:02 | 旅人
運命のひと候補その1、
神頼なフムフムと初デート。

木曜の新宿山ちゃんにて。
大好きな手羽先にしゃぶりつきながら
とりあえず名古屋ネタでコミュニケーション。

フムフムは1年に
京都は2回、
北海道と沖縄は1回ずつ行くのを恒例にしてるよで

今年は早速先週、富山に寒ブリを食べに行ったそうで。

件の数珠は滋賀県の三井寺で毎年1つ柘植ものを買ってるそで
元旦から新しいものをつけることにしてるのだとか。
どれだけ信心深いんだか。

38歳、独身。
小金も持ってそな。

旅が好きなところもがっちりだし

これから何度かデートを重ねれば
将来の見える、いい感じに発展するのかもしれないけれど

なんだか話してて楽しいとは
そういえば思わなかった。

結婚の条件にばかり目が行って
恋心をお座成りにしてるよな。

今度は高尾山のそばを食べに行こうと言われた。

けれどまた会いたいとは思わないのだなぁ。
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神頼

2008-01-04 02:11:52 | 旅人
逡巡問答。

フムフムが何を信仰しているのかウジウジするのは嫌だったので
フムフムとの関係がまだ浅いことから

思いきって信仰について質問してみることにした。

もし何も信仰してなくて関係が崩れても失うものは運命のひと候補1名だし
もし何か信仰していたら、それはそれで興味深いと思ったから。

後々口説く体勢に入ってから面倒なことになるよりはましだとの思いから。

「ところで不躾ですが何か特定の宗教を信仰されてますか?
 さしつかえなければ。」

できるだけ失礼のないように書いたメールだけれど
内容が内容だけに差し支えない内容にはならないよう。

すぐに返ってきたフムフムの答えは

「宗教には興味ありません。
 勧誘はお断りします。」

という最悪の事態だった。

慌てて弁解。

「大変失礼いたしました。
 あたしも無宗教なので勧誘の意図はありません。
 数珠をされてたような気がしたので
 敬虔な仏教徒さんなのかと思いまして。
 不快な思いをさせてしまい申し訳ありませんでした。」

苦しい言い訳はなんとか届いたようで

フムフムの次の返信は

「申し訳ないです。気を悪くしないでね。
 無宗教ですが神頼み的な部分もあって数珠などつけてます。
 よく見てましたね。」

というものだった。

新興宗教への疑念が無くならない世の中で
やはり迂闊な質問だったと猛省。

とりあえず持ち直し。
手に入れたい情報は手に入った。

結果、多分オーライ。
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利益

2007-12-31 13:35:44 | 旅人
長野の旅3日目は
美容師おすすめの湯田中渋温泉。

長野電鉄の終点、「寂れた」を絵に描いたよな温泉街。

「千と千尋の神隠し」に出てきそな金具屋のまん前の、
「もやいの宿いかり屋」に宿泊。

「創業百余年純和風旅館」が売りでも
重厚さがないただのぼろい旅館。

生まれて初めて自分のお金で仲居つきの旅館に泊まったので
お茶を出してくれたり、布団敷いてくれることにドギマギ。

15時過ぎにチェックインして
さてやることがない。

温泉て温泉入る以外にやることがないんだと実感。
とりあえずドラマの再放送など。

やっと18時くらいになり
外湯九湯では石鹸、シャンプーの使用禁止とのことで内湯できれいきれい。

夕飯を食べて20時くらいになり
外湯に行くのも面倒になりつつ
さすがにせっかくだからと浴衣に着替えて下駄を履く。

カランコロン。

昼間の寂れた温泉街とは打って変わって
ぼぅーっと街に灯りが燈って八百万の神々が歩いてきそな雰囲気だった。

とりあえず九湯全部は入れないだろうと諦めて3番湯に行く。

石鹸禁止のはずなのに
浴室では地元民ぽいおばさんとオバアチャンが洗濯してる。
シャンプーまでも。

ひとりで獄熱な湯船に入ってみる。

さきほどのオバアチャンは
湯船に背を向けて狭い洗い場に直に女座りをしてる。

あたしにはオバアチャンの背中とお尻が見える。

と、オバアチャンがその体勢で遠くにある何かを取ろうとした瞬間、
オバアチャンのお尻が浮き上がって女豹ポーズ、

ご、ご開帳・・・

オバアチャンのビロビロが鮮烈に目に入ってきた。
生まれて初めて見る自分以外の大陰唇だった。

下手な神社でお参りするよりご利益がありそうだ。
パンパンっ。

そのあとあたしは逆上せてしまって
結局九湯のうち、三湯しか入れず。

牛に引かれて氏に捧ぐ、
そんな長野の夜。
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逡巡

2007-12-30 21:11:54 | 旅人
長野のおぶせの風YH。
いいところだから行ってみ、というひと言で目的地決定。

YH恒例の21時から談話タイム。
人見知りしながら恐る恐るジョイン。

食堂には6人ほどのYHマニア。

YHだけで年間20泊してますとか
どこそこのYHはごはんがおいしいとか

YHカルトクイズなひと時。

これでも国内30ヶ所くらいのYHは制覇してるあたしも
ついていけず。

そんな中でちょっと感じのいいおっさん発見。
話しやすくておもしろい。
「はたらくひとたち」のフムフムがそのまま歳とったよな柔らかさ。

23時になり談話タイムはお開きに。

たまたま翌日、朝ご飯もフムフムと向かいになり、話が弾む。

二人とも東京に帰る、その日
あたしは小布施観光で
フムフムはYH主催のそばツアーに参加。

YHを出発するとき、廊下でフムフムに遭ったので
「またいつかどこかで、」と言ってさよなら。
東京在住のフムフムと連絡先を交換しようとは思わなかった。

袖すり合うも多生の縁とは思いつつ
旅での出会いに続編は不要だというのが

旅人としての、あたしの試行錯誤ののちの結論だからだ。

YHを出た途端、雨が振り出したので
YHに預かってもらってる荷物から傘を出しにいくと
また軒先でフムフムに出会った。

「また会いましたね」と言って挨拶。

白い息を吐き出しながら
しばらく小布施の街を練り歩いた。

どこかにネタが落ちてないかと。

時間が経つほどに
フムフムとの会話が思い起こされた。

もしフムフムが運命のひとだったなら
あたしはそれを取りこぼしたのかと。

なぜあのとき
旅人のプライドなど取り出して
連絡先を聞かなかったのだろう。

後悔はどんどん雪だるま。
想いは募る。

でもまだチャンスはあった。
そばツアーが終わってフムフムがYHに戻ってくる時間に
YHの辺りをうろつけば遭遇の可能性が。

フムフムは17時の長野新幹線で帰ると言ってた。
15時くらいにYHに戻って預けていた荷物をピックアップすればいい。

もしもう一度逢えたならフムフムは運命のひとだ。
もし逢えなかったら・・・潔く諦めよう。

時間は14時。
少し早いので士気を高めるべく「ア・ラ・小布施」というカフェに入る。

隣りの隣りのケーキ屋さん「栗の木テラス」のケーキでお茶できる、
「隣のケーキセット」をオーダー。

「栗の木テラス」はいつも混んでいて待たされる。
上品なババァばかりであたしには落ちつかない。

それに比べ「ア・ラ・小布施」ではゆったりできる。

お皿を持って「栗の木テラス」に行き
超絶品「モンブラン」をのっけてもらう。

モンブランとカフェオレでひと息つきながら
ハガキと日記を書く。

14時半、あと30分かと思って
ふと顔を上げると

「!!!」

フムフムが、フムフムが、飛んであたしに入る夏の虫と言わんばかりに
「ア・ラ・小布施」の入口に立っていた。

やっぱり運命のひとだったんだ。
携帯を握り締めて入口までダッシュ。

「また会いましたね、連絡先教えてくださいよー」とストレート。

「俺もお茶してこうかな」とフムフム。

名前と連絡先を聞いた。
指輪はしてないけれど結婚してるかどうかは追々。

名前に「椋」という字が入ってるひとで

あたしが「鳩椋十のムクだ!」というと
フムフムが「椋鳩十ね」と突っ込んだ。

そろそろ長野電鉄に乗る時間が近づいていたので
「また東京で」と挨拶すると

フムフムの左手の袖口に数珠が見えた。

運命のひとは、運命のひとは数珠をしてた。
しかも簡単には見えないよに袖口の内側に。

運命のひとは何を信仰してるのだろう・・・
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2007-12-19 12:41:57 | 旅人
善光寺近くの宿坊に着くと
居間では二人の外人がお茶してた。
軽く挨拶してチェックイン。

築100年を超えるというその宿坊は
歩く度に床がみしりみしりと鳴く。

畳は特殊なものを使っているので
外で持ち歩いてた旅行鞄は部屋に持ち込み禁止とのことで

部屋に持ち込む着替え等は紙袋に入れ替えて
居間の横にある巨大ロッカーにリュックを入れて部屋にいく。

4畳ほどの、蒲団を一枚ひいたらいっぱいになってしまう部屋。
と、鏡台。

女将さんが
「今日は外人の男のひとばかりだから不安でしょう。
 この鍵を使って」と

2枚の襖の木枠に開けた穴に
壁からたこ糸でぶら下ってる釘を通すだけの、
おそらくこの日本で今日一番アナログな方法を「鍵」と呼称した。

ま、首尾よく外人の男のひとを口説けたら
どう気づかれずにセックスするかのほうが
あたしには不安だったけれど・・・

女将さんに車で温泉に連れてってもらったあと
居間に戻ると外人の男のひとは三人揃っていた。

どもるどもる、とにかくどもるドイツ人

ガエル・ガルシア・ベルナルと郷ひろみを足して2で割ったよな、
とてもかっこいいオーストラリア在住アルゼンチン人

船越英一郎系
ドイツ人+フランス人のハーフ、かわいいフランス人

フランス人はすべての下着を洗濯した直後だったようで
下半身にはKENZOの真っ赤なバスタオルを巻いてるだけの状態。
チラチラ。

話題はやはりなぜ日本に、なぜ長野に来てるかということと
観光してきた長野のおすすめポイント。

30年も日本に住んでいて、
ここ数年国内はけっこう旅行してきたあたしでさえ
やっと10回目くらいの旅行で長野に来たいと思ったわけで

それだって件のカイロプラクターが長野出身だと知らなければ
ウィンタースポーツ以外で敢えて観光しようとは一生思わなかったかもしれないのに

なぜこの初来日の三人は長野にいるのだろう、
ということが最大の疑問だった。

ドイツ人がどもりながら言った。
「ロンリープラネットが長野に行けと言うから」と。

日本に来る外人は東京、京都、大阪、北海道に行くというイメージ。
実はあたしが思う以上に長野はすごいところなのかもしれない。

船越フランス人はセクシーポーズで
「日本で女性をやっていくのは大変だよね?」と話題提起。

どうやら日本人男性は観察していると日本人女性を対等に扱わない傾向にあるよに
彼の目には映るらしい。

3人の外人が次々とワーワー自分の意見を主張する中で
あたしは全く自分の意見を挟めなかった。

意見というよりは「Depends」というのが本音だったけれど。

23時を過ぎて消灯になり
話し足りないからと、ドイツ人の部屋に集まることにした。

10畳ほどの和室。

ガスストーブのガスは22時に止められていて
部屋にあるのは短小電気ストーブひとつ。

身を寄せ合って話の続き。

船越フランス人が畳の上で
足を組替えるのが気になる気になる。
バスタオルの割れ目の先。

ガルシア郷アルゼンチン人が温泉に行ったとき
更衣室でパンツを脱いだら
掃除のおばさんが入ってきて・・・という話を始めたら

船越フランス人が
「君の大事なところを見たのかい?」とニヤニヤしながら突っ込む。

そしてあたしのほうを見て
「日本人はヨーロッパ人男性のはとてつもなく大きいという幻想を抱いてるよね」と
聞いてきた。

あたしは負けじと

「一度フランス人を試したことがあるけれど
 両手で上下に握って口に入れたけど、まだ下のほうは余ってたよ」

と思い出を切売りした。

フランス人とアルゼンチン人の爆笑と
ドイツ人のどん引きを勝ち取り、

あたしの英語下ネタも世界に通用するのだと誇りに思った。

気付くと24時近くになったので
あたしは下世話なシンデレラから普通の日本人の女の子に戻った。

寝る前にトイレに行くと温度計は6℃を指してした。
自分の部屋に戻ると11℃だった。

隣の部屋の船越フランス人の衣擦れの音と
あまりの寒さになかなか寝付けなかった。

というわけで4P画策は見事に失敗した。

牛に引かれて氏に捧ぐ、
そんな長野の夜。
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