心の免疫力~書とことばから

もっと暮らしに書やARTを~
雲のように水のように あっけらかんと自在に生きるヒントを
求めて~ by 沙於里

書は線なり、線は人なり

2010-06-10 | 書の話
                                (半紙1/2)

久々に山頭火の・・ 「どうしようもない私が歩いてゐる」

一昨日の絵手紙教室で、細くてやわらかい羊毛の筆で書かれた
遠藤さんの作品を参考に書いてみたなり。
あ、私は細いかための面相筆で。か細くてちょっと軽いけど・・。

遠藤さんは書道教室にもいらしていて、先日の 蘭秀会展 での作品はこの2点。
細い字でも、ぶっとい線でも、生き生きとしていて 


  
武者小路実篤の詩


甲骨文「無」


書は人なりって言うけれど、書は線なりって思う。
線は、その時その瞬間を生きている自分の鏡だって思う 

美しい楷書と言われるものの魅力も、形よりもまず線なのだと思う。
だって、形にばかり囚われていては、生きてる線は書けない。

まずは・・
激しいものは激しいままに
弱い心は弱いままに
無器用な自分は無器用なままに
迷いながら迷ったままに書けばいいんだって思う 

そこから見えてくるものを頼りに、なりたい自分、書きたい線を探すなり。

いわゆる級とか段とか、それはそれで、ある時期の励みにもなるけれど
自分をもっと知りたくなったり
もっと自分を喜びたくなったら
「自分の線」を探してみようではあ~りませぬか 

書の魅力は、線なのだから。
そして線の先に、造形は自然と生まれるものなのだから。

そう・・つまり、書は線なり、線は人なり、とな 

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第28回書といけばなの出会い展へ

2010-06-09 | 書展・展覧会情報
                     書:現日会副理事長 中田桂子氏
                     花:草月流 柳下光暎氏 有野光峰氏


6月6日まで開催していた、書といけばなの出会い展のご報告をば・・。

書84点と花は前期・後期とあったようで、私がお邪魔した後期は40数組。
書は、数ある書道団体の理事、顧問、審査会員の方々、
花は、映月松風流・草月流・池坊などの、こちらも家元・理事・参与・師範等々の方々。

う・・ん。
今年も・・出会いというより、正直言ってガチンコのような感も否めず・・。
・・というか、白と黒の世界の「静」の書と、色とりどりの「動」の花では
どうにも見事な花々に押されぎみだったような 

            
上:稲村雲洞氏           上:渡邊 麗氏   
下:小暮菘華氏           下:飯高和子氏   


上:西田茜秋氏           上:三田孝子氏
下:津金孝邦氏           下:仲川恭司氏



どちらの勝ちというのでもなく、お互いが響き合う空間に必要なのは
なんじゃいな・・と、会場をしばし眺めるなり。

そこには、人と人との響き合う関係を見つけるヒントもあるような 

会場の中でも、花のない場所もあって。
それはそれで、何となくしっくりきて 


石川芳雲氏:自詠七言絶句 


宮山一琴氏:「風乱蕉聲」


日本文化は、現代は侘び寂びだけではないのかもしれないけれど、
私の個人的趣味としては、最初の写真のような、花もあまり色のないのが好みかな。。

花にパワーを頂き、階上の第1回采真書社展へ。
これがまた、すんばらしかったので、近々ご報告しま~す 



追記:ただただ一人でも多くの方にご覧頂ければと思ってご紹介しておりますが、
   写真掲載等NGでしたら、すぐ対応させて頂きますので
   お手数ですがコメント欄からご連絡頂ければ幸いです 

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一心不乱に

2010-06-08 | つれづれ
                         半切1/4 (部分)


昨日は、某空手道場の師範から依頼の四文字を書いていて。
以前「一生燃焼」を書かせて頂き、今回は「一心不乱」。

結構むずかしい。。

Tシャツにもなるらしいので、読めない字はNG。
でも空手だから、それなりに激しさや力強さも欲しいところ。

ほんとは今日が締切りだったのに、まだ納得いくのが書けず・・

それでも1枚、また1枚と書くうちに、お疲れモードから不思議と元気になるなり。

夢中になれるもののあることのしあわせをつくづく 

書展巡りのご報告をお伝えしたいのも山々だけど、そんなわけでまた後日。。

今日はKarel Appelの アクションペインシングでも。
なんだか不機嫌そうだけど、気持ちよさそ~

この瞬発とリズム、書に通じるものもあるような。


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猫さまに説教され

2010-06-07 | 
                               (はがき)

今日はだめ・・体力限界で、お仕事お休みしちゃうなり 
でもって、頼まれた作品しあげなきゃ・・なのでして 

そんなこんなで、ここんとこ猫さまたちとあまり遊ぶ時間がなく
みーにゃ様は少々ご機嫌斜め 

疲れていても何はともあれ、一緒にお散歩に出かけるは、春から秋までの日課なり。
そう、冬は寒いから、玄関開けても一歩も出ず。

散歩をしながら、みーにゃ様の小言を聞くなり。

・・あのさ、もうちょっと悠々とできんのかねぇ。。



はいっ。。全くでございます。

昨日は、母と銀座に書展巡り。
今日はそのご報告をと思ったけど、写真の多さにめげて、近々ってことで。

『書といけばなの出会い展』と、鈴木春朝氏主宰の『第1回采真書社展』。
見ごたえありました。
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五感が喜ぶ空間

2010-06-06 | つれづれ
 
昨日は午前・午後と、いつもお世話になっている東京新聞ショッパー主催の
春秋恒例の写経会のお手伝いをさせて頂き。

2年前の秋は 母と参加、気持ちのいい空間と時間に心癒され。
今回も、町田市にある薬師池公園の中にある福王寺薬師堂で。 

写経を始める前には、般若心経を参加者全員で唱えて。
ここんとこ寝不足続きで、唱えながら意識が遠のくのも心地よく 



   
天井画は、狩野信矩によるもの。

皆さまをお迎えするために、本堂入口で静かに目を閉じて座っていると
土の匂い、雨の残り香漂う中、色んな鳥の声が聞こえてきて、
なんて気持ちがいいんだろう・・と、何度も深呼吸 

写経の後は、本堂手前のお部屋で、お茶とお菓子をご用意。

そういえば・・ここんとこ、座禅会にも行ってないなぁ。。

たまにはこうして目を閉じて、自然の音や匂いを体感する時間、大事かも・・と。
五感が喜ぶ空間と時間でした 


・・でもって、今日の写真は、本堂手前に掲示されていたもの。

「俺は ばかだと思っている人は 見込みがあります」


大してお役に立てず・・でしたが、久々にゆったりとした気持ちになれました。
ショッパーのAさん、Oさん、ありがとうございました 


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逃げない花

2010-06-05 | 岡本太郎

                               (はがき)

今、ドクダミがそこいらじゅうに咲いている。

子供の頃、どこか人を寄せ付けないような立ち姿に
この花は、きっと私のことがキライなんだって思ってた。

だから何となくそばを通っても、何て言うか・・話しかけないようにしてきた。

でも年を重ねるごとに、この花が好きになって。
それは、岡本太郎が言ったこんなことばと重なり合って。

 何ものからも僕は逃げない。
 僕は何ものとも晴れ晴れと立ち向かう。
 それが僕のモットーだ。

この言葉を聞いたとき、なんだかスカッとした。

そうだ、それでいいんだ。
そんな風に生きられたら・・って思ったら、ドクダミの姿がかっこよく見えた 

そんなことをふと思い出した今日の1曲は、
Lenny Kravitzの  Can't Get You Off My Mind (Accoustic)
かっこいい・・!





今日は朝から、近くのお寺である写経会のお手伝いに行ってきま~す♪

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こころ水の如く

2010-06-04 | 禅語・般若心経
                            (はがき倍版カード)


昨日は久々の書道教室。
展覧会も終わり、またいつものそれぞれのお勉強に戻り。
普段はにぎやかな教室も、なんだか静かで、皆さまもお疲れかしらんなんて 

そうそう、遠藤さんが半紙数十枚に、楷書の千字文を全臨されたのを、
ご自分で和綴じされたのを持ってきて下さり。
あ・・写真と撮るのを忘れてしもた。。ざんねん。。 

すごいなぁ・・と、皆さんと拝見
さてと。
私もちゃんと臨書の勉強せねばなぁ。。。

でもって、今日のは教室であれこれ書いた一枚。

「心如水」 心水の如し

道はまだまだ続くもので。
気持ち新たに、また次の一歩を始めますかね


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「好き」の回路を

2010-06-03 | 禅語・般若心経
                             (半紙1/2)


禅語の「面壁九年」。 めんぺきくねん

達磨大師が、九年間無言のまま壁に面し座禅をして、悟りを開いたということから
何か一つの目標、目的に向かって黙々と努力しようぞよって意味。

いつだったか脳科学者の・・お名前忘れたけど、その方がこんなお話を。

「脳ってのは、自分にとって価値があると認めたものの回路を作るのだ。」

好きこそものの上手なれっていうのはつまり、
その人の脳に「これが好き」の回路があるんだ、と 

面壁九年なんて言われると、「忍耐」の文字を連想しちゃうけど。
好きなことだったら、時間も痛みも空腹も忘れてしまうってもので 

人生可もなく不可もなく・・じゃ、もったいない。
一度と言わず、たとえばある時期、でもいいじゃありませぬか。

忍耐じゃなくて、楽しい!うれしい!の延長線上の
自分だけの「回路」を作りたいものでございまする 

今日の禅語とは反対のような気もするけれど、
目的や目標が先じゃなくて、湧き出る思いのままってのもアリかな、なんて。


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油絵とのコラボ

2010-06-02 | つれづれ
                            「異」 (部分)

昨冬、焼き物の 藤澤重夫さん の個展の案内状で、陶と紙と書のコラボをさせて頂き。

その時書いた 「叶」の文字 が面白かったから・・と、4月の 加賀での三人展 の折、
85歳になられる木下さんとおっしゃる方が、私なぞに会いにいらして下さり 


農具も積んだワンボックスカーに、数枚の油絵を積んでいらしてて
その中で一番大きな100号の絵を、ちょっと見て欲しい・・と。



ふむふむ・・・? と、おもむろに駐車場で拝見。
それは、油絵作家さんが描かれた一面銀世界・・北海道の冬の雑木林の絵で。



「この絵を見て、あなたなりにインスピレーションを得て、書いて欲しい文言がある」と。

そして、この絵を見て木下さんが感じたもの・・そのお話をして下さり。

つまり、これは寒々しい景色だけれど、太い木は細い木を侵食せず、
細い木は太い木に寄り添うという、美しい共生の世界なのだ・・と。

で、その世界にぴったりの文言を見つけた、と。

それが・・「雑樹異光色」
色々な樹木がそれぞれに異なる光と色を放っている、という意味らしく。

う・・ん。。なるほど。 でも、むずかしそう・・・と言葉を探していたら、
5月末までに書いて送って下さいね・・って。

悩みに悩んで、書いて書いて・・・一昨日お送りして。
はてさて感想をまだお伺いしていないのだけど

全体像はまたの機会に。。

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その瞬間を想像するだけで

2010-06-01 | 書の話
                             「寅」 (部分)


書を始めた頃、「前衛書」なるものがあるなぞ知らなかった。
たまたま、広い書の世界で巡り会えた師が、前衛書を追求される方だったわけで。

今や前衛書は、ひとつのジャンルになってしまった感が否めないけれど
当時は、多種多様な用具・用材、表現の可能性にドキドキして。

たとえば書くものは、筆に限らずなんでもござれと実験的にあれこれと。
たとえば、スポンジ、雑巾、ダンボール、ブラシ、刷毛・・とか。
用材も墨のほかに、ネオカラー、墨にボンドや牛乳、卵白を混ぜたり・・。

ちなみに、今日の写真は硬い毛のブラシで書いたもの。
ダンボールよりは多少弾力があるから立体感は出るけれど、線に深みは出ない。
けれど、気・骨・剛・激・幽・貫といったものは感じるような 

ところで。
毎日同じものを食べていたら、飽きてしまうというか、感激も薄れていくような

日々生きているということは、穏やかな日もあれば、
怒りをぶつけ、悲しみを吐き出す日もあり。

時に、なるべくなら怒りを抱かず、淡々と生きられたらと思うけれど、
たまには感情をコントロールせずに、表現という場にぶつけてみるものいいものだ。

前衛などという概念に囚われず、内から沸いてくるものをそのまま搾り出せたら。
その瞬間を想像するだけで、鼓動が高まるってものだ 

いつか・・その快感を味わいたいものよのぉ 

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