斎藤秀俊の眼

科学技術分野と水難救助、あるいは社会全般に関する様々な事象を一個人の眼で吟味していきます。

木材がダイヤモンドになる日

2015年11月22日 17時20分06秒 | 斎藤秀俊の着眼
ちょっと過激なタイトルのニュースです。

1か月前にも取り上げた「リグニン」が主人公です。

木材の成分で、いわゆるゴミです。このリグニンからプラスチックのような成形品を作る研究が進んでいます。プラスチックは形が変えられるという意味だから、成型できなければ意味がありません。最新の研究成果で、石油由来のプラスチック原材料と同じように溶かして自在に形を変えられるようになったという報告です。

記事の中で「リグニンは黒いダイヤモンドなんです」と紹介されているので、ダイヤモンドになる日と来ているようです。通常、この手のものは人間の胃袋に入るものを変えたという話が多いのですが、リグニンは食べられないので、競合しません。

リグニン由来のコンクリート化学混和剤や活性炭繊維も開発されています。私の研究室ではリグニンを原料とした水素吸蔵材料を開発して利用しています。様々な形でエネルギーを蓄えることのできる材料の原料として注目されているのです。

リグニン ぜひ覚えたい名前ですね。