これからの時期、海には入らないが、釣りやバーベキューを楽しむ機会が増えてきます。
こうした中で、陸にいても海に引きずりこまれ溺れてしまう現象があります。
最も大きな要因として、戻り流れが挙げられます。
戻り流れは、ビーチカスプと呼ばれる砂浜地形によく発生します。養浜のために並べられた消波ブロック群と群との間でも発生します。
台風などで大きなうねりが沖からやってくると、砂浜海岸の陸地側に波が遡上していきます。そのとき、すなおにもときた通りに波が去ってくればそうそう水難につながらないのですが、戻るときに周囲より低くなっていたり、ブロックで戻りがさえぎられる構造になっていると、あるところに海水の戻りが集中します。この流れにはまると秒速5mから10mといった、普通ではありえない水の流れに流されることになります。
戻り流れの
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静岡県で発生した水難現場では翌日に上空からの映像で戻り流れが明確にでていました。この場所では戻り流れが発生することが実証されています。このような現象は、台風シーズンにはどこの砂浜海岸でも起こりえます。秋の行楽シーズン、海に入らないからと言って安心することなく、レジャーを楽しみたいものです。