斎藤秀俊の眼

科学技術分野と水難救助、あるいは社会全般に関する様々な事象を一個人の眼で吟味していきます。

就活生、がんばった

2018年06月29日 20時02分31秒 | 就職活動
今年の物質材料工学専攻・課程の就職希望者の活動がほぼ終了しました。
4月には半分くらいが内々定、5月で9割近く、6月でほぼ100%です。

企業と学生との間のパワーバランスや本音と建て前をきちんと理解して動いた学生は4月には志望先に決まってました。
自由応募もいいのですが、ここはやはり推薦応募の意味をしっかりと理解して動いた学生が有利だったように感じます。
できるだけ短時間にコストパフォーマンスよく活動できるか、これは企業が皆さんの活動をみて、最も高く評価する点です。入社してから、物事をだらだら時間をかけて考え、しかも相談すべき人に相談しない、こんな性質の社員は面倒見たくないからです。

企業にも改めてほしい点がありました。
学生が真剣に志望先を考え、あるA社を第一志望にしているため、大学から「推薦応募でいきたいがよろしいか」お聞きしたところ、「うちは自由に応募してもらって最終選考の前に推薦書をだしてもらう」と言われました。

そこまでは問題ないのですが、その学生がならばということで自由応募で何社か受けて、そのうち複数社から最終面接のオファーをとりました。その際に、全て最終面接を終了するまで、推薦書を出さないとA社に伝えましたら、「それは困る」と。最終面接を受けさせないというのです。それだったら、最初から推薦応募を受け付けてください。

自由応募・・・何社受けてもいいし、そのうちどの会社を選ぶかは学生に選択権があり。
推薦応募・・・他の会社を自由応募で受けてもいいが、推薦選考で内々定が決定したら他社選考はお断りする、あるいは推薦選考過程中は、他社の内定受諾は保留する。

検証せずテレビに出る怖さ

2018年06月28日 23時23分46秒 | 斎藤秀俊の着眼
検証せずテレビに出る怖さについては、時々警鐘を鳴らしています。

先日、「着衣水泳」の特集をしていた、ある地方局の動画を拝見しました。
泳がせる訓練の様子を出したり、「服が重たい」と言わせたり、あるいは「浮いて救助を待つのがよい」とインタビューをとったり、目まぐるしく言いたいことが変わる内容でした。

これでは視聴者は「どれが本当か?」と迷ってしまいます。さらに間違った知識を植え付けることになります。はたまた、題材に使われたスイミングクラブの信頼はことごとく落ちます。

水の中で服の重さはほぼゼロで若干沈みます。でも服の中にたまっている空気があれば、それが浮力になります。
わざわざ泳がせてしまったら、この大切な空気が服から抜けていってしまいます。
そのような訓練をしているスイミングクラブの方針が全く理解できませんし、そうやって命を落とす子供が将来出たら、責任取れますか?とれるわけがありません。

水難事故にあったら、靴や服の中の空気の浮力を最大限に生かして背浮きをし、呼吸確保に全力を注ぎます。呼吸さえできれば、生きていけるのです。
周囲の人はすぐに119番通報して、救助隊を現場に呼びます。
そういう意味では、海岸で救助訓練をしていた救助隊の方の番組中でのコメント「浮いて救助を待っていてほしい」が最も的確でした。

急な斜面にある排水路はウオータースライダー

2018年06月28日 07時19分11秒 | 斎藤秀俊の着眼
6月27日夕方、静岡市で、急な斜面にある排水路を中学生が滑り落ち、頭を強く打って病院に搬送されたが、死亡が確認されたという。
亡くなられたお子さんのご冥福をお祈りします。

ここのところ、斜面の排水路や側溝で流される事故が多発している。
乾いた斜面なら滑らないものの、流水があるとウオータースライダー状態となっている表面。この表面に足を入れた瞬間、すぐに足が救われて瞬間的に流される。
これから雨が多くなるシーズン。こういう危険性を子供たちにしっかりと教えたいものだし、大人も認識を共有したい。

これもひとつの通過点

2018年06月22日 06時32分58秒 | 斎藤秀俊の着眼
警察庁発表の水難の概況の解析を進めています。
平成29年中に、これまでで初めて、高校相当年齢以上の人の生還率が50%を超えて53.5%となりました。
単なる通過点にすぎませんが、半数以上が助かるということは重いと思います。

あくまで速報ですが。。。

2018年06月21日 19時32分04秒 | 水難・ういてまて
平成29年中

死者行方不明者 ベスト5
群馬 2
奈良 3
青森 4
山梨 4
栃木 5


死者行方不明者 ワースト5
沖縄 42
北海道 40
長崎 37
大阪 34
新潟 34

生還率(水難者20人以上) ベスト4
愛知 81.6%
青森 81.0%
千葉 80.4%
神奈川77.5%

生還率(死者20人以上) ワースト1
大阪 12.8%

死者行方不明者の少なかった県は例年とほぼ変わらず。多かった府県もほぼいつものところ。生還率はベスト常連だった埼玉県が姿を消し、そのかわりに愛知県などこのところの10年でういてまて教室普及に力を入れてきたところが奏功している。生還率ワーストでは、このところ少しずつ改善していた大阪府がまた悪化した。

なお、子供の死者・行方不明者は都道府県毎で0.55人だったが、常にワーストトップに出る福岡県が昨年も4人で最悪の状況からいまだ脱することができない。福岡県については、水難学会でも徹底的にテコ入れを図っている。