合評会で作者が読者の感想や批評を聞ける、その場で質問を受けることもある、すぐに答えることができる――その最大のメリットは、自作を客観できることです。
率直な意見が聞けることの価値
読者あっての作品だから、他の人がどう読み取ったか、読んでどう感じたかを知ることはかなり重要。しかし日常の場面で誰かに自作の詩を読ませたって、せいぜいお世辞っぽい適当な感想を言われておしまいでしょう。だから自作について歯に衣着せぬ意見が聞ける合評会に価値があるのです。
そこで自分で意識していなかった自作の長所や欠点を知ることができます。
複数の人から同じ欠点を指摘されてヘコむこともあるけれど、誰もが欠点だと思う分かりやすい過ちを犯したということだから、次に同じ轍を踏まないようにすればいいだけです。いろいろなことを言われると一瞬混乱するかもしれないけれど、批評にはたったひとつの正解があるわけではないから、とりあえず全部参考にして、ゆっくり咀嚼してから取捨選択してもいい訳です。
自分が選んだ言葉、そしてその組み合わせが人にどんなイメージを与えるか、それが狙い通りかどうかが分かるし、複数の人の感想を聞くことで、受け取り方のバリエーションも分かります。ということは、参加者に年齢・性別・その他属性のバリエーションがあった方がより望ましいということになりますね。
辛口批評になってしまった時、評者が気を使ってフォローし過ぎると、作者にとって結局いいのか悪いのか分からなくなってしまうので、口先だけの褒め言葉や励ましは不要です。
保身的態度をとらないこと
顔を合わせてしゃべるからこそ生まれる信頼感や安心感を基に、俎上に載ったら自分を守ろうとせず、素直に意見を聞きましょう。
傷付けようとしているのではなく、役立ててもらうために評者は意見を言っているのですから、欠点を指摘されてキレたり、聞き入れようとしなかったり、言い訳を並べ立ててはいけません。そんな態度をとったらせっかくの機会が台なしになります。
事前に書き写しながら読む
湘南文芸では、場当たり的な意見を言うのではなく、真剣に批評ができるように、各自が合評対象の全作品を当ブログから書き写して合評会当日持ってくるという原則があります。作者が参加人数分プリントして当日配るのではないのです。
目だけで読むよりも手を動かすことで脳を活性化させながら一字一句を逃さず味わうことができて格段に勉強になり、ただ読んだだけでは気付かない細かい部分にも気付けるからです(自分自身の作もその例外ではありません)。当日その場でさっと読んで意見を言うよりもずっと深い合評会になるので、こう決めているのですが、事前書き写しがなかなかできないんだな~。仕方なく、筆写できなかったらコピペプリントしてきてもいいよ、人に見せてもらったりその場でスマホ画面から作品を読むのは、書き込みができないからダメだよ、ということにしているのですが、守られません。
このルールどうしましょう