湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

ファンタジックな散歩

2015-07-11 01:25:22 | オリジナル
Eが飼い犬シロとの散歩からイメージして作り、合評会当日にメンバーの意見を一部に反映させ書き直した詩を投稿します。

犬の散歩の途中

黄色いバラが
クルリと向きを変えると
電信柱が一歩前へ出る
白い雲が
唇の形で笑うと
坂道が斜め左へ曲がる
トマト畑に白いモヤがかかり
幼稚園の水色の門が
グニャリとひしゃげる その世界に
一気にとび込む
何……?
交差点の黄色の信号が点滅している
ガシャガシャと耳が痛くなる位大きな音で

早朝の四時
一瞬の夢?
心の中の不確かなことがら
無数の隙間があり
そこから見えるトンネルの向こうに
マンションの並木道が確かな形である
突然出口に向かって走りだした犬は
振返ると悲しげに見あげる
――しっているよ あなたの心
  だから だいすきなあなたを
  しゃぼん玉のような
  たくさんの虹色の愛でつつんであげる
  わたしたち
  あの並木道をいっしょに散歩するのが
  ほんとうのことなのだから
  愛しているよ はやく!


第1連はほぼ実際通りの情景描写だそうですが、ファンタジックですよね。
コメント
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