湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

「勘違い」の詩パート10

2015-07-03 00:46:15 | オリジナル
共通テーマ「勘違い」でTが書いた詩を投稿します。イラストもT作です。


    退院

不自由な部屋の
五センチも開かない窓から
外を見ている君
カンナの咲いている場所から
君を眺めて手を振る私
どこまでいっても表と裏
誰の配剤だろうか
赤と青の光で紫ができるなら
君と私では太陽色になるはずだった
なのに二人の法則は色の三原色
混ざれば混ざる程
彩度の低い色の世界の住人

真紅のタチアオイの咲いている道を
二人穏やかに歩いている退院の日
見渡す限りの畑に実っているすいかのように
単純明快に暮らしたい
昔は軽蔑していた日々

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする