湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

「勘違い」の詩パート12

2015-07-08 04:39:15 | オリジナル
6日の合評会の時にHが提出した「勘違い」の詩と、当日話し合ったことを投稿します。作品と合評内容を一度に続けて出すと問題と回答みたいになってしまうという指摘があったので、間に画像を挟んでみました。

  忘却

きっとそうだと思った。
間違えていないと思った。
あの面影を、間違えるはずがない。

分かっていると思った。
理解していると思った。
だって、かつてそうだったから。

確かにそこにあったはず。
そこにいたはず。

あの夏の面影は、確かな私の記憶


:作者の弁 :評者の弁
ずっと考えていることがあって、それを人の面影になぞらえました。難しくない言葉を使って「こんなことを文章で言うのか」という気持ち悪い余韻が残る詩にしようと思って書きました。タイトルは、人は自分の記憶を確かだと思っているかもしれないけれど、実は不正確だったり忘れたりするという不確かさを表わしたものです。
哲学的な第2連で重みを帯びてきますね。最後の1行は平易な表現というよりは、NHK番組のエンディングのナレーションみたいで惜しいわね。
ラストで、確信していたのは大きな勘違いだったと言いたかったんですけど。
抽象的な表現が続いてお行儀いい文で結んでいるんだけど、私みたいな通俗的な読み手は作者の肉声を知りたくなっちゃうのよね。
核心・コンセプトが具体的な表現に反映されていると、抽象的な詩のポイントになると思います。抽象的といえば、そう・あの・そこといった指示語の多用が気になります。読者が自分のイメージを好きに当てはめられるという利点もあるけれど、排除すれば引き締まった詩にできます。
コメント
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