湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

隣の貴方

2015-07-18 00:45:27 | 
劇場版新作が今日から公開されるHERO。先日ドラマ版がテレビで再放送されていました。第1回に逗子マリーナが出てきました。キムタク&松たか子がヨットの上に佇む約15年前の風景ってことですよ。2人もマリーナも、ほとんど変わっていないですね。

では、合評会で下記のT作品について話し合ったことを投稿します。
事件

剪定して 剪定して
貴男の垣根には絡まないように
注意を払っていました
つるの伸びは速く
気付くと 垣根を探し当て
絡まり始めていました
「そちら側は適当に切って下さいね」
たしかに言いました

ある日
つるが黒くなって垂れ下がっていました
貴男の側の太いつるの根元が
切られていたのです
半分枯れてしまったつる
ためらいもなく切ってしまったのであろう
貴男の姿を思い浮かべると
貴男という輪郭の中は真っ黒になります

秋には少しの実が生ったとしても
時を孕んだ薄紫の実が
私の中には
もう決して垂れ下がることはないでしょう

:作者の弁 :評者の弁
「貴男」が繰り返し出てくると「男」という字にひっかかってしまうので「貴方」と書いた方がよいのでは?
何気なく「貴男」を使ってしまったけれど、確かに「貴方」の方がいいですね。
第2連で、隣の男性があなたの蔓を黙って切る「事件」が起こるんですね。そういうことをする人ではないと思っていたのに違ったという、お題の「勘違い」に通じるショックもあったんですよね。切られて枯れてしまったのが全部ではなく半分というのが「事件」としては半端な感じがするけれど……。
タイトルを変えた方がいいですね。自分が受けたショックにスポットを当てれば、第2連の6~7行目は蛇足的・説明的だから省いた方が的確ですね。第3連1行目もカットしたいです。
最後の行の「垂れ下がることはない」が美しくないですね。
余韻を残すためには「実らない」に変えた方がいいですね。
コメント
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