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575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

復員の兄三年忌真鶴夏 朱露

2009年05月11日 | Weblog


   ひと回り上の兄たちは沢山戦死。
   彼は帰っては来たが虚脱状態で。
   軍服の彼をハローと叫ぶ子供ら。
   その後六十数年彼の生き甲斐は。

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忌日              愚足

2009年05月11日 | Weblog
★俳句ブログをサーフィンしていたら「斎藤百鬼の俳句閑日」に忌日について面白い記事があったので一部を紹介したい。
http://blog.goo.ne.jp/kojirou0814/e/e280f6ef6de75b03216ab5bd9cd111a6
*********************************
阿部次郎にこんな句がある。

残飯でゲーテ日過ごす野分かな 

ゲーテは1832年の1月29日に没した。冬季だ。
阿部次郎はゲーテ日として詠んでいる。
野分は秋季。食い違いがあるが、実は誕生日なのだそうだ。ゲーテは8月20日生まれ。
忌日ではなく誕生日というのが面白い。阿部はどうも誕生日を季語とする推進論者だったらしい。

<俳句の季題には忌ありて誕生日なし、誕生日は両陛下の天長地久両説あるのみ。死者の誕生日は年中行事より姿を消し去るを常とする。されど偉人の生涯に於いて記念すべきは豈その物故の日に限らむや寧ろ世界が其人を所有するに至りたる誕生日こそ永久に記念すべきなれ。故にゲーテ日という新語を製造してこれに季感を持たしめんとす>

しかしこれは馴染まないかもしれない。日本には棺を蓋いて後定まるという格言もあるように忌日を重くみる。誕生日は軽い。

変った俳人では自分の忌日を詠んでしまった人もいる。

 経は知らず鐘で成仏三充忌 中野三充

まるで生前葬儀みたいなものだが、この人はどういう人かよくわからない。
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古コート就職難に立ち向ふ   三村純也

2009年05月10日 | Weblog
NHK俳句、今朝の選者は三村純也さん。
1953年、大阪府生まれ。

テレビでも関西弁です。
不思議なやわらかさが感じられます。
純血のホトトギス系俳人のようです。
季題を生かすことが大切とのこと。

 月並の興りつつある虚子忌かな

 蓼咲いて余呉の舟津は杭一つ

のような句があります。

    

最初の句は若いころのものです。
この他に

 編みくれしマフラー巻いて待ち合はす

 デートには行く気でをりぬ春の風邪

のような句があります。
私の好きなのは、

 鮎落ちて川の力の抜けにけり

 しゃぼん玉消えたくなって消えにけり

    

  (現代俳句の海図より 遅足)








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五月の忌        愚足

2009年05月10日 | Weblog
 青葉冷え万太郎忌の夜のネオン     中村 汀女
 たかし忌の芥子卓上に花散らす     大橋 敦子
 音高く日傘ひらきぬ晶子の忌      渡辺千枝子
 襞多きカーテンを閉づ多佳子の忌    本多  脩
 迎しは浪花の一寺青峰忌        皆吉 爽雨
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母の日や娘の年の母に会う   朱露

2009年05月09日 | Weblog

    五十代半ばで亡くなった母なので、
    私より二十年ほど若いことになる。
    五十二になる娘に久しぶりに会う。
    母はこの孫を知らないが似ている。

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オランダミミナグサ 草女

2009年05月08日 | Weblog
在来種のミミナグサを町中で見ることはほとんどない。が、ヨーロッパから明治時に渡来したオランダミミナグサは日当たりのよいところならどこにでも生えている。
ナデシコ科ミミナグサ属の2年草。対生した葉を鼠の耳に見立て、若い草が食べられることから耳菜草と呼ばれていた在来種によく似ていることから、オランダミミナグサになった。こちらは葉にも茎にも萼にもびっしり毛があり、葉や茎の色が黄色ががり、みずみずしさに欠ける。小さい、白い花は可愛いが・・・
4月の末、今年も舳倉島のバードウオッチングに参加した。いままでにないほどの強い風が吹き、港の岸壁を高く越える波で定期船は3日も欠航した。雨にも風にも負けないバードウオッチャーはそんな中でも、野鳥を追いかけ、よい腕とよいカメラで写したメディアをテレビに繋ぎ、ミーティングをする。そんな映像にアトリと一緒にオランダミミナグサが映っていた。アトリは雀位の大きさで、成鳥オスの夏羽は、頭から背中が黒、胸はオレンジ色で美しく、漢字で花鶏と書く。この鳥と一緒に写っているオランダミミナグサの良いことにびっくりし、仲間からも声があがった。かさかさで毛だらけでしょうもない草という思い込みを急いで打ち消した。それにアトリの仲間達はこれらの草の実を食べる。全力を使い舳倉島まで渡り、ここで次の飛翔のエネルギーを補充するためには、草の良し悪しなど関係ない。
 自然観察をしていると、今まで持っていた固定観念が実にいい加減だったなと思
うことが多い。今回のオランダミミナグサもそのひとつだ。
 

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何者か片目潰され蜥蜴の子   朱露

2009年05月08日 | Weblog

    体長10センチ弱茶色の子蜥蜴が出た。
    上から見ても前から見ても左目が変だ。
    腫れ上がって眼の体裁を為していない。
    私が嫌いな椋鳥の一撃でも食ったのか。

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若葉雨   麗

2009年05月07日 | Weblog
GWの喧噪を癒すような若葉雨。
冬物の片づけなどやらなければいけないことが
たくさんあるのにどうも身体が重くのばしののばしになっている。
今日こそこたつをしまうぞ。だらしない主婦ですみません。

    立夏過ぎ居直る果ての春炬燵   麗
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眼高散る散るしか生きる術はなし   朱露

2009年05月07日 | Weblog
 
      私の気配で十二匹一斉に隠れる凄さ。
      人間は考えるので統一行動は苦手だ。
      統一行動をとらぬ為に考える奴とか。
      生きる気迫は人間は眼高に敵わない。

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選句ということ    遅足

2009年05月06日 | Weblog


句会では、選句のためにある時間、集中して句を読む。
体調の良い時は、割合早く読めるが、
不調の場合は、なかなか読めないし、誤まって読んでしまうことも。

自分との志向性の差異に関わらず、
テキストにそって、正確に読むのは集中力が必要。
文学部の時に、演習という講義があって、
フランス語の原文を数ページづつ読んだ。
これが苦手だったのは、今の俳句でも変わらない。

直感で、句の良否は判断がつく場合が多い。
だがテキスト通り読み、自分の言葉で良否を発表することは
思ったより難しい。

これをキチンとやれば、自分の句をつくる時にも
良い効果があるのでは?
とは、最近になって思うことです。

   (写真は角寿さんからのもの・柿の若葉です。)


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夏寒し多米山並は雨の中    朱露

2009年05月06日 | Weblog

    緊張の帰国ラッシュ水際検疫正念場。
    そんなにまでして外国へ行きたいか。
    身辺で楽しむことを知らぬ同胞諸君。
    四畳半にパソコンだけで充分だ私は。

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黒パラソルの怪   鳥野

2009年05月05日 | Weblog
 ♪ 卯の花のにおう垣根にほととぎす早も来啼きて、忍び音もらす夏は来ぬ・・・佐々木信綱

そんな情緒には遠いけれど、今日5日は立夏。陽光も強くなり、すでに酷暑の兆しありありです。

こうなると、急に増殖をはじめるのが、黒いパラソル。有害紫外線を避けるのに卓効ありということで、ご婦人方がご愛用です。

夏の傘といえばかつては、絵日傘、あるいは爽やかな素材と色使いで、涼感を誘うものでした。

 ・ 鈴の音のかすかにひゞく日傘かな  飯田蛇笏

 ・ パラソルの陽の香たためる残像の人と対へり朱夏の茶房に  大塚寅彦

それが、今日この頃はいけません。まるで黒い水母が浮遊するさま。これを健康第一の風物詩というのでしょうか。

  ・ 暑さ来て増殖しはじめる黒日傘その翳のひと美しきやな  鳥野
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誕生日        愚足

2009年05月04日 | Weblog
 六十も後半を過ぎると誕生日は知って知らぬふりで素通りさせたい。
 これが、八十を過ぎれば殊勝にも感謝の念で過ごすのかもしれない。

 今が一番小生意気な不良老人期である。

 さて「『誕生日』という言葉は季節を超越して人間個々の生に根ざしたキーワードである。だから誕生日をどうとらえるかは、人が自分の生をどう思っているかに直結する。」と夏石番矢が言って、次の句を挙げて色々述べている。

  誕生日飯食い始む星座の前      金子兜太
  誕生日靴の重たさだけがある     佐藤鬼房
  五月の海へ手垂れ足垂れ誕生日    西東三鬼
  雪嶺を遮二無二攀づる誕生日     赤尾兜子
  二階ひびきやすし桃咲く誕生日    寺山修司
  目には見えぬ落葉に充ちて誕生日   佐藤三保子

  夫もいて孫もいて初夏誕生日     ぐ    
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柿通信   角寿

2009年05月04日 | Weblog
角寿さんから写真とこんなコメントが届きました。

  メディアが騒ぎ、高速道路の通行料が、安売りとあって、
  社会は、ミツバチのように動き回っています。
  こんな時は、殻に閉じこもっているのが、私の主義です。
  柿のほうは、ぐんぐん生長。蕾も大きくなりだしています。

   今日は

写真、ありがとうございます。
私もこんな時はじっとしています。
といっても、また母が入院で、病院通いですが。
かわいらしい蕾ですね。
季節は着実に動いているんですね。
                 遅足





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新緑       遅足

2009年05月03日 | Weblog
この季節になると、蕾から花へ、芽から葉へと、
植物は大きな変化を遂げます。

花も小さな蕾が大きな花になっていきますが
どこから栄養が来るんでしょうか?

いつも不思議に思っていました。
「植物の不思議」という本を読んでいたら
こんなことが書いてありました。

    

サツキツツジの花は5月上旬に開花します。
開花の時刻はおよそ午後7時、開花した午前0時には
重さが1.5倍になりますが、細胞の数はほとんど増えません。

重くなる原因は水。花弁細胞に水が流れ込む。
どのような仕組みか、というと、
細胞のなかのデンプンの粒が酵素によってブドウ糖に分解されます。
ブドウ糖は水によく溶けるので、細胞のなかの濃度が高くなり
浸透圧によって外から水が流れ込む。
そして開花する。

    

葉が広がっていくのも同じ様な仕組みがあるんでしょうね。
雨の降ったあとに、一斉にみどりが濃くなるのも水のおかげ。

「水の地球」なんだ!

  水の地球すこしはなれて春の月  正木ゆう子

    

  うまれくる一語一語のみどりかな 遅




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