ビル街と墨絵。一見すると似合わないようですが、「春の雨」という天の配剤がビル街を思わぬ芸術作品として生み出しました。よく助詞の「に」は説明的と言われますが私は「墨絵仕立てに」の「に」がうまいと思いました。都会に降る春の雨。
容子さん:情報カメラで天気予報の背景などによく使用される名駅のビル群が浮かびました。
亜子さん:「墨絵仕立て」という表現がよい。春雨に濡れたビルが一言で浮かび上がる俳句らしい一句。春雨と墨絵がよく合う。
先日のお茶会でも「言葉の魔術」という声が上がりました。
子ども食堂の土曜日土筆かな 千香子
竹葉さん:破調というのでしょうか、なかなか馴染めませんが、題材が子供食堂、土曜日、土筆が揃っていればそれぞれが響あって完璧に思えます。少しでも経費節約で、子供たちが学校のない土曜日に野原へ出かけて土筆とり、そして袴を取ってワイワイ食べる、こんな明るい光景が見えていいですね。ついこの前の土曜日、孫のチビちゃんたちが取ってきた大量の土筆の天ぷらの味を思い出したのもこの句を推すことになりました。
この句は「845」という破調ですがリズム感があっていいと亜子さんが仰っていました。でも、もし575にするなら
土曜日の子ども食堂土筆かな
とさっと添削してくださいました。
作者の千香子さんは言いたいことがあるとなぜか破調になってしまうとのことでした。破調から575にするという手もあるかも知れませんね。 麗子
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