575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

ハンゲショウ異聞   鳥野

2008年06月24日 | Weblog
6月21日は夏至でした。その日から数えて11日目が半夏生。
梅雨明けの標準時で、田植え終いの日とされています。

また半夏生とは半夏草。つまりカラスビシャクのこととも、片白草のこととも。カラスビシャクは不気味な姿で、鴉だって柄杓には使わないでしょうが7月初旬が出盛り。片白草は、花序に近い葉の半分が白くなるので名付けられたそうです。

私には、全く異なった、大切な思い出があります。

 奥美濃の里山を通りかかった時、斜面に茂っている低木の葉が、ところどころ絵 の具を塗ったような白色を見せて揺れていたのです。
 車を止めて、その美しさにしばらく見とれていると、村人らしい婦人が「あれは マタタビの木、ハンゲショウとも言うんだよ。半分だけ化粧してるみたいで、面 白いよね」と教えてくれました。
蔓をたぐって、枝を引き寄せてみると、ほんとうに葉の半分ほどが白粉で化粧し ています。どの解説書よりも図鑑よりも、言い得て妙。うれしい話でした。

おみやげにと持ち帰ったマタタビの葉を我がネコめは一瞥しただけ。可愛くない奴らです。

   ・ 半夏生の白は化粧の白ならめ  酒井土子
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3 コメント

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またたびの葉も白くなる (雑学派)
2008-06-24 13:33:49
 葉は丸めで夏に小さな白い花を咲かせる。花をつける蔓の先端部の葉は花期に葉緑素が抜けて白化し、送 粉昆虫を誘引するサインとなっていると考えられる。近縁のミヤママタタビではこの変化は白くなるのではなく、鮮やかな桃色に着色する。若い果実は辛いが熟すと美味しい。薬用酒(マタタビ酒)の素として果実がよく使われる。因みにキウイフルーツもマタタビ科である。
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忘れえぬ植物 ()
2008-06-24 13:04:41
ずーっと昔、若かった頃、雨の降る京都を歩いていて、雨宿りに寄ったのが京染め小物のお店。
 店の奥にかけてあったのが、白と緑で涼しげに植物がデザインしてあった素敵な大きな暖簾。
 見たこともない印象的な植物にしばし見とれていました。
 あれから三十年、妻と野を歩いていて「あっ半夏生。白くなってる。」と言われて見てびっくり。あの暖簾の植物だった。
 
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葉ではなく実を (遅足)
2008-06-24 12:45:23
おみやげにしたら
猫ちゃんは大歓迎してくれたはずです。
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