最近なかなか句が浮かばないとおっしゃる作者でしたが、
今回の題詠「生姜」はさらさらと口をついて出てきたそうです。
「年をとると不思議に母への思いが強まるようだ」とは、先日のお茶会での話。
特に男性は・・というのですが、いかがでしょうか。
選者コメントです。
等さん: 匂いはすぐ消えてしまうものですが、そんな遠い昔のことが思い出されるものですね。
麗子さん: 母を思慕する一句。中七の「膝にのぼれば」に幼き日の作者が見えるような気がしました。生姜の香りがするお母さん。会いたいですね。
私もいただきました。
香りと思い出は繋がります。この母は絣のモンペをはいていたのではと想像がひろがります。
もう一句、生姜と母を取り合わせた句があり遅足さんもとられました。
新生姜酢飯にまぜて母偲ぶ 晴代
作者のお母さまは、50歳そこそこという若さでお亡くなりになったそうです。
気づけば母の歳を追い越してしまった自分。
思い出の味であるお料理をつくられたのでしょう。それは新生姜の香のするお寿司・・
懐かしい味に母を偲べば、鼻と胸の奥につんとくる恋しさと切なさ。
やはり生姜は母と結びつくように思います。 郁子