575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

水増し俳句            愚足

2007年07月02日 | Weblog
 私が時々読み返しニヤニヤし、フムフムとうなずく本に阿部筲人著の「俳句・・四合目からの出発」講談社学術文庫があります。
 俳句初心者の例句を挙げて紋切り型表現を痛烈に指摘してくれ、相変わらず初心者から抜け出せない私に刺激を与えてくれています。

 その中から著者が「水増し俳句」として→の語を不必要と断じたものを紹介します。

 一条の木漏れ陽もれて河鹿鳴く   → 一条・もれて・鳴く
 カンナ燃え行く蟻の列乱れずに   → 行く・乱れずに
 ひっそりと風も凪いだる村の春   → ひっそり・風・も・だる
 吹き果てし梢に寒し冬の月     → 吹き果てし・寒し
 カンナ草しをれて淋し秋の暮    → 草・て淋し・秋の暮
 小寒や曇れる空を見上げつつ    → れる・を見上げつつ
 中天にかかりし月の光り冴え    → にかかりし・の光り冴え

 如何でしょう、成る程と思う点も多いのですが。これだけ剥ぎ取られるとどうして良いか分からない程寒いですねえ。

 
コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

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なるほど。 (遅足)
2007-07-02 08:49:12
よく指摘されることですが、
形容詞は腐る
動詞はひとつ
も、には注意
など・・・
分かっていますが・・・
ですね。

逆に言うと、そこに注意して
形式にあてはめれば俳句になるとも。


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水増し ()
2007-07-02 12:04:43
水増し俳句という言葉に思わず笑ってしまいました。
偽装は俳句の場合許されますね。
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