575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

秋の風高層ビルを縫い駆ける   すみ

2016年09月26日 | Weblog
空の小さく狭い高層ビルの街にも秋はやってきます。
風が秋を知らせてくれます。私も風も足早に。
現代の景を詠んだこの句、下五の表現に物足りなさが。

では、どうしたら良いのか?
推敲の段階で行き詰まったら主客を転倒する。
夏井いつきさんは、こんな例をあげています。

  陽炎やピザの斜塔のゆらゆらと

「よく似た句がありそうです。ささやかなオリジナリティを
手に入れるために立場を逆転させる発想があります。
斜塔が陽炎に揺れているのではなく、斜塔が陽炎を
揺らしているかのようだと」

  陽炎を揺らしてピサの斜塔かな

風が走るのではなく、ビルが走ると・・・
ビルが走る、とは言えませんので動詞を変えてみました。

  高層のビルが集める秋の風

これでは無理がありそうです。

  高層のビルに集まる秋の風

あまり参考にならないかな?

       

  栗菓子を選びあぐねてコンコース   

同じく、すみさんの句。
どこかへ出かけるために駅へ。ちょっと時間をみつけて
お土産の栗菓子を物色・・・あの人はどれが好きかしら?
でも種類が多く、値段もさまざま。選ぶのに思わぬ時間がかかって・・・

すぐに忘れてしまようなささやかなコト。
でも句のすることで記憶に残ります。
俳句という小さな詩形だからこそ出来ることです。 遅足





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