575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

あの虫この虫虫句会    麗

2016年08月18日 | Weblog
昨日は、初めての愛知芸術文化センター会議室での句会。
お題は「夏の虫」でした。
蚊、蛾、油蝉、熊蝉、夏蝶にあめんぼう、抜け殻となった蝉から、この夏大流行のポケモンのピカチュウまでいろんな虫が、ぞろぞろ飛び出し、昆虫大辞典なみの夏の虫が勢揃いしました。オリンピック並みの難易度の高い、巧みな技ありの句も多かったですね。
今日は蝉の声がしません。八日目の蝉でしょうか?

では恒例の寸評です。

①「敗れたり」がいいですね。あんなに防御したにもかかわらず、蚊にさされてしまった悔しさ。
②ギリシャかエジプトの王家の紋かと思いました。蛾の紋様の美しさから滅びた王家まで思いを寄せる発想力。D難度の句ですね。
③玄関先の蚊を刺客と呼ぶ大げさな感じがいいですね。これまた合戦に負けちゃいました。
④先ず鳴き出す熊蝉、そして三日ほど遅れて油蝉が。蝉の鳴き声まで聞き分ける観察力。
⑤夜中網戸にぶつかってくる夏の虫。嬉しくない訪問者ですが彼らもまた生きているのですね。
⑥「琉球処分」に明治政府から現代に至る基地問題までの沖縄の苦難。そもそもは琉球王国を滅亡させたことから始まりました。蝉時雨は沖縄の民の声にも聞こえます。E難度。
⑦夏蝶ははかないけれど暑さに負けない強さも。若死にした一葉と重なるとの声。取り合わせの妙。
⑧水面に浮かぶあめんぼう。水面に映った雲をつかみ、風に負けないでいなして過ごす。実は雲、風、雨(あめんぼう)を取り込んだ遊び心溢れる句でしたが、あめんぼうの姿をうまく描写して見事、虫オリンピックのメダル獲得!
⑨刺された直後ではなく数日たってからのひつこいかゆみ。そういえば私も寝ている間にやられてます。
⑩ひきこもりのゲーマーも公園に引き寄せられるポケモンGO。夏の虫のようにぞろぞろと。
⑪誰もが闇をかかえています。実は耳鳴り、難聴で蝉時雨も聞こえなくなっている人も。魂の俳句。D難度。
⑫10番と全く同じ流行句。虫なのであえて「ピカチュウ」にしました。郁子さんと同じ感性でした。
⑬断末魔の叫びなのでけたたましい蝉の鳴き声も大目にみてあげましょう。
⑭「渾身」がいいですね。まさに渾身の一句。「蝉の殻」がもう少しという声もありましたが、こちらも見事メダル獲得です。

来月は「風」秋の季語も入れて下さい。どんな風が吹くのかお楽しみ。それにしても暑い夏。悪い虫も出てきそう。皆様ご自愛ください。
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