575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

バラ散るや己がくづれし音の中  中村汀女

2006年05月21日 | Weblog
作者が自分の作品を解説した本がありました。
中村汀女は、この句について次のように述べています。

私はこの、自分の心がそこにくずれたような音を
いまも思い起こすことがある。
しんとした部屋に、この音は明らかに大きかった。
そして、大輪のクリーム色の花びらは、まさに、
己がくずれた音のなか、その音に包まれ、おさまるままに
ぱらっと一枚も残さずほどけ散ったのであった。

 (自選自解 中村汀女句集より)

                    

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1 コメント

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自己がくづれて名句が?ウヘー (愚)
2006-05-19 03:04:24
美しくて凄い句ですね。 

解説を読んでますます感心しました。



自分にはそんな体験がないので想像するより方法がありません。 

 羨ましいような気もしますが、僕だったら俳句どころではないでしょうね。

 女性は凄いというか、プロは凄いと言うか。



 ても いくら名句が出来るとしてもそんな目には遭いたくありません。

               

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