575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

ほんとうの空  遅足

2017年10月29日 | Weblog
先日、みちのくへ紅葉狩りのパック旅行。午前中に名古屋を出発、昼過ぎには郡山へ。
みちのくも近くなったものです。バスに乗って安達太良山へ。
天は一行に味方せず冷たい雨。ロープウエイから、かろうじての紅葉見物。
さて頂上は雨と霧の中・・・すこし歩くと一本の標識。(写真)

「この上にほんとうの空がある」とあります。

 智恵子は遠くを見ながら言ふ。
 阿多多羅山(あたたらやま)の山の上に
 毎日出ている青い空が
 智恵子のほんとうの空だといふ。

智恵子抄の「あどけない話」の一節。
残念ながら「ほんとうの空」は見えませんでした。

阿多多羅山とは、安達太良山(あだたらやま)のこと。
日本百名山の一つでハイキングのメッカです。
明治時代には噴火、多数の死者を出しています。今も活火山です。

智恵子の実家は麓の二本松にある造酒屋。
東京の生活に疲れた智恵子が思い出すのは、
子供の頃から親しんだ山と空だったのでしょうね。

「あだたら」の語源は古代の製鉄に使われたタタラから、という説。
安達郡の最高峰、すなわち安達太郎からきているとする説。
アイヌ語の乳の意味のアタタからきた説など・・・
アイヌ語だとどういう意味なんでしょうね。

雨が降っていても、そこには空があるのですが、
ほんとうの空と言われると青空のイメージ。
もう一度、行かないとほんとうの空には出会えない・・・
などと思うのは、すでに誰かの罠にはまっているのかも。

  ただの空を「ほんとうの空」と売り出せる みちのくびとのこころをおもう

あなたにとって「ほんとうの空」は?


コメント
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