カマツカ 草女
今年の秋、海上の森では赤い実が極端に豊作で、しかも美しかった。赤い実と言えばオオカメノキ、ガマズミ類、ウワズミザクラ等など。その中でカマツカは群を抜いていた。いつもの年はパラパラという感じ、今年はビッシリと言う感じで実が付いている。海上大正池への曲がり角に赤い実をたくさん付けている木をにつけた。「今まできずかなかったけれど、ウメモドキだね。」即座に断言して写真を撮った。帰宅後、「ごめんなさい。カマツカでした。」とメールをしたのを覚えている。
あれは5月、山の中腹に植えから下までまっ白な花を付けた木を見つけた。近寄ることはできなかったが、カマツカと確認した。頻繁に海上の森に来ている仲間が、今年はカマツカの花がすごく咲いていると言っていた。その結果がウメモドキと見違えるほどの実付きになった。
なぜ?と皆思っているが、誰も答えることができない。ハクウンボクという木は5,6年に1度満開になり、他の年はパラパラと花を付ける。カマツカもそんなふうかもしれないし、違うかもしれない。私達の胸をよぎるのは、植物ことに樹木では、枯れる前にいつもより多くの実を付けること。なんか不安を感じているが、誰も口にしない。
カマツカは従来の分類では、バラ科カマツカ属の落葉小高木。材が固く丈夫なので鎌の柄に使われたので鎌柄。鉄製の牛の鼻輪が高価な時代、この木を使ったのでウシコロシとも呼ばれる。この名前を使う人も多い。