575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

蔦絡む美術館  鳥野

2011年11月08日 | Weblog
朝の連続ドラマに誘われたかの喧騒も一段落。
安曇野には美しい秋が訪れていました。
思い立って「碌山美術館」へ。30余年ぶりの再訪です。

佇まいは思い出のまま。蔦の絡む本館のほかに、付属の展示館が増えたようです。

碌山の作品を集めた碌山館は、静謐な小部屋。多くはない見学者はみんな無言、真剣な眼差しです。
中でも、その前が離れられないのは「デスペア」。
絶望し苦悶する女体の像と見受けました。

彼の芸術の庇護者として、暖かな手を差し伸べ続けた相馬黒光への愛。
黒光は新宿中村屋の創始者、愛蔵の妻でした。

「愛は芸術・相克は美」と苦しみ抜いた挙句の碌山の死。30歳5ヶ月の若さでした。

 ・ 絡みつく憧憬のごと蔦紅く碌山美術館の壁映ゆ

                     鳥野
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