575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

王者の紅葉   鳥野

2011年11月01日 | Weblog
北アルプスの山裾の里から、晩秋の便りが。
「山は紅葉の真っ盛り。今が見ごろです」と。
一度寒気が訪れて、白馬山頂辺りは、薄っすら冠雪したとのこと。
本格的な冬は近いようです。

行かねば。山肌を飾る三段紅葉と有名な「七色大楓」。
聞かされるばかりで、まだ遭遇のチャンスに出会っていない。
なにしろ、絶頂機は瞬時なのです。

標高や樹種の違いで、色様々な紅葉を、中央線の車窓からも堪能して、いよいよ
「七色大楓」です。

それは本当にみごと。
北安曇郡池田町の高峰高原、カーブを幾曲がりして行き着いた草地にその一本は王者の
風格で立っていました。

信濃毎日の朝刊で、紹介された日とあってか、見物人は大勢。大方はカメラ自慢
のカメラマンです。

樹齢250年、周り15メートル、赤・黄・緑・その濃淡、七色どころか。
絶妙な配色。

高い梢の先の葉は早も霜に焼けていました。

 ・ 間なく来る雪迎えんと渾身の化粧を了し七色楓

                    鳥野

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

諏訪のお菓子「初霜」     遅足

2011年11月01日 | Weblog
紅葉を楽しみに行った諏訪地方。
面白いお菓子を見つけました。
諏訪下社の門前ちかく、不二屋というお菓子屋さん。
ここで売っていたのが「初霜」。
白い包装紙を解くと、四角い真っ白なお菓子が。
割ってみると、切り口は霜柱のように光っています。

そのまま食べると・・・・パサパサした口当たりで、イマイチ。
説明書きにあるように、少し崩して熱湯を注いで食べてみました。
こちらは美味でした。

原料はもち米と砂糖、それに卵白。
これらを、オモ湯のようにして箱に流し込み、
零下20度という外気のなかで氷結させて出来上がり。
もとは農家の冬の副業から生まれたお菓子です。

説明書きにこんな句が載っていました。

 朝時雨 初霜人をおもふのみ  中村汀女

中七をどう読むのか?
「はつしもびと」と、お菓子をつくっている人と読みました。

一日が始まる朝。時雨。もう冬が来ている・・・
初霜を味わったことがあるが、酷寒のなかで作るという。
諏訪の人たちのことが思われることよ。

こんな意味の句でしょうか?違うかな?


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

十色には一色足りぬ秋の風  遅足

2011年11月01日 | Weblog
☆狗子・一色足りない、というのが面白いというか、おかしい。
☆郁子・寂しさを感じます。
☆智恵
☆値遇

遅足・この句、荻原先生の歌をパクッたもの。
   結婚して、沢山あった色が一色減ったという歌でした。
   秋の風は白といわれてきましたが、私にはチョット
   ピンと来ない表現だったので、こんな句を作ったのかも。
   十には満ち足りたという、十=全の等式が
   成り立っているとして。
   夏から秋へ・・・何かが欠けた感覚を一色足りない、と
   言ってみました。
   あるいは秋の風ではなく、秋の街など、下五は
   推敲の余地がありそうです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

多米低山逆光の中眠りつつ   朱露

2011年11月01日 | Weblog
    岡になりかかった山脈が南北に走る。
    県道を山越えすると眼の下は浜名湖。
    若い頃ラーメンを食べに山越えした。
    山眠るは冬の季語、私もまた寝よう。

               



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする