題詠「芋」
芋の畝輝きの玉降り注ぎ
転がして突いて愛しき小芋かな
衣被つるんと出でし玉の肌
宿坊の夕餉の芋に手を合す
里芋の面取りをして母想う
芋茹でて海の塩振る大八州
芋の葉に夢見るような露のたま
靴脱ぎに芋煮匂えり孫の声
寝待月芋蛸甘く煮あがれる
芋洗ふ月下の水となりにけり
里芋め箸をすりぬけ鉢をこえ
母の手のコキッともぎる小芋かな
芋名月息子と語る亡夫(つま)のこと
族らのいざこざ抱え八つ頭
自由題
秋燕消えて駅舎の古巣かな
音もなく大和路の萩咲きこぼれ
酒ついでそのままであり秋の夜
仕舞湯の灯を暗くして虫の声
嬰(やや)泣いて敬老の日の隣かな
新涼や眉ひく筆ののびやかに
白菊やポンポン船の音高し
手花火や火玉の落ちし後の闇
小6に母背負われし運動会
秋雷や吉村昭自決せり
土に潜み土の色なす芋の衣
能管とチェロの合奏月上る
寂寞として夕焼けの口ひらく
時刻むカネタタキの音鎮魂歌
芋の畝輝きの玉降り注ぎ
転がして突いて愛しき小芋かな
衣被つるんと出でし玉の肌
宿坊の夕餉の芋に手を合す
里芋の面取りをして母想う
芋茹でて海の塩振る大八州
芋の葉に夢見るような露のたま
靴脱ぎに芋煮匂えり孫の声
寝待月芋蛸甘く煮あがれる
芋洗ふ月下の水となりにけり
里芋め箸をすりぬけ鉢をこえ
母の手のコキッともぎる小芋かな
芋名月息子と語る亡夫(つま)のこと
族らのいざこざ抱え八つ頭
自由題
秋燕消えて駅舎の古巣かな
音もなく大和路の萩咲きこぼれ
酒ついでそのままであり秋の夜
仕舞湯の灯を暗くして虫の声
嬰(やや)泣いて敬老の日の隣かな
新涼や眉ひく筆ののびやかに
白菊やポンポン船の音高し
手花火や火玉の落ちし後の闇
小6に母背負われし運動会
秋雷や吉村昭自決せり
土に潜み土の色なす芋の衣
能管とチェロの合奏月上る
寂寞として夕焼けの口ひらく
時刻むカネタタキの音鎮魂歌