終戦忌職員室の謄写版 江本絵門
最初、この句は、なにも引っかかりがなくて
見過ごしていました。
職員室の謄写版というフレーズから、
昼下りの職員室、窓際に置かれた謄写版という
一枚の絵を呼び起こしてくれましたが、
それ以上には広がりませんでした。
数日後、もう一度、読み直しました。
すると、謄写版を刷る先生の姿が立ち上がってきました。
そのとたん、句が動き出したのです。
戦争が終って、先生は、昨日とは180度違うことを
教えなければならない・・・
どんな気持ちで謄写版を刷ったのだろうか?
プリントを貰った子供たちは、それをどう読んだのだろうか?
そう想像すると、一句が急に大きくなったのです。
俳句の読みは難しい!