575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

俳句の読み    遅足

2006年09月10日 | Weblog
 
   終戦忌職員室の謄写版  江本絵門

最初、この句は、なにも引っかかりがなくて
見過ごしていました。
職員室の謄写版というフレーズから、
昼下りの職員室、窓際に置かれた謄写版という
一枚の絵を呼び起こしてくれましたが、
それ以上には広がりませんでした。

数日後、もう一度、読み直しました。
すると、謄写版を刷る先生の姿が立ち上がってきました。
そのとたん、句が動き出したのです。
戦争が終って、先生は、昨日とは180度違うことを
教えなければならない・・・
どんな気持ちで謄写版を刷ったのだろうか?
プリントを貰った子供たちは、それをどう読んだのだろうか?
そう想像すると、一句が急に大きくなったのです。

俳句の読みは難しい!   
コメント (2)
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