冒頭、モーツァルトの『コジ・ファン・トゥッテ』(伊:Così fan tutte)K.588(モーツァルトが1790年に作曲したオペラ)序曲から始まり、現代風にアレンジした曲に変わり、再びモーツアルトに。随所に『コジ・ファン・トゥッテ』の曲が流れる、という趣向。
オペラの正式なタイトルは「Così fan tutte, ossia La scuola degli amanti(女はみなこうしたもの、または恋人たちの学校)」。
姉妹の恋人である二人の男が、それぞれの相手の貞節を試すために仕組んで互いの相手を口説いたら、二人とも心変わりしてしまった! はたしてことの成り行きは? てなことらしいが。
タイトルの原語(イタリア語)の意味は「Così このように fan する tutte すべての女性は」。
今や、『フィガロの結婚』、『ドン・ジョヴァンニ』『魔笛』の3大オペラにこれを加えて4大オペラと呼ばれるほど。日本でもけっこう上演されているようです。
もちろん、わがイタリアの巨匠・TintoBrass監督。先刻ご承知の上でのエロチックコメディーの仕立てに。
邦題「背徳小説 第二章 ALL LADIES DO IT」(1992年)。「Così fan tutte」は、 英訳にするとこうなるわけです。
監督: ティント・ブラス
製作: ジョヴァンニ・ベルトルッチ
脚本: ティント・ブラス
撮影: シルヴァーノ・イッポリティ
音楽: ピノ・ドナッジオ
出演: クラウディア・コール
フランコ・ブランチャローリ
みだらな性の快楽に溺れてゆく人妻の日常を描くエロティック・ロマンス。ダイアナは、気品のある外見とは裏腹に、飽くなきセックスの快楽を求める淫乱な人妻。彼女にとっては、夫の嫉妬すら性的な刺激に結びついてしまうほど。ダイアナは、男たちを集めて自分の尻をさわってくれるように頼むなど奔放な生活を楽しむが、結局、元の鞘(まさに字義の通り)に収まる。
(以上、「映画 MOVIE-FAN」movie-fan.jp/1992/00036165.html参照)
妻の自在闊達に比べて、夫はいかにも優男という設定が目立つ。言い寄ってくる男性も軽くあしらわれる。それでいて、戻るところはその「優しい」夫の元。そこで、夫も一安心。しかし、その後はまた相変わらず、・・・。
あいにく日本語版は、手に入りにくい。TSUTAYAにあるはずもない(はず)。英語なら何とか分かるがイタリア語となると何とも・・・。しかし、内容が内容(ないよう)で、これで「カリギュラ」「鍵」など4作目となると何とか分かってしまうのが、我ながらおそろしい。
部屋の装飾から窓外の風景、白黒トーンの配色、例によって大小の鏡、・・・洒脱な演出を楽しめます。寝室などのセットはいつも同じようですが。バックに流れる音楽は凝っています。
お決まりは、トイレとお風呂とベッドシーン。社交場でのダンスシーン。・・・。窓外に見える厳かな教会の建物。美しく開放的な地中海の海べ。太陽。心地よい風。・・・。
ちょっとエッチな牧師さんとカメラや双眼鏡を持つおじさん。そして、あきれた顔をするおばさん、おじさん。そして、上半身も下半身も透け透けのお嬢さん。・・・。
例によって、監督も登場。
※画像は、すべて「YouTube」より。
今度は、本家本元のオペラを視聴することにしないと、・・・。あっ、今までこの年まで、モーツァルトさんのオペラにはまったく無縁であったことに気づいた。
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