おやじのつぶやき

おやじの日々の暮らしぶりや世の中の見聞きしたことへの思い

JR滑河駅~安食(あじき)駅。その4。県道409号線。矢口(やこう)スーパー堤防。(利根川を歩く。第13回目。)

2022-01-12 20:05:23 | 利根川を歩く

すぐ左を走る「国道356号線(利根水郷ライン)」の車の量はかなり多く、騒音も激しいのですが、自転車道は時折、サイクリング車が通るだけで歩く人もいない、ノンビリとした歩きになります。

 

     

工業団地が終わると、田園地帯が開けてきます。今日あたりでは、雪もすっかり溶けているでしょうが、8日はまだまだ雪が。

なにやら前方に標識が見えてきます。

          車輌通行禁止の「県道409号線」になっています。

「矢口スーパー堤防」標識。

記念碑が利根川右岸、国道356号 利根水郷ライン沿いの紀文工場の脇の小広場に石碑と説明板が設置されている、とのこと。(「発祥の地コレクション」HPより。以下も引用させていただきます。)

矢口(やこう)スーパー堤防のあらまし

スーパー堤防とは、一言で言うと台地のような堤防のことで、万が一計画を越える洪水が越流しても決壊しない堤防です。

(「Wikipedia」より)


矢口スーパー堤防は、利根川の浚渫土約120万㎥を盛土し、最大幅約300m、延長約1,600m、面積約32haの工業団地を造成したもので、昭和62年に浚渫開始し、平成4年度にすべての工事が完成しました。

事業は、建設省の特定高規格堤防整備事業(通称スーパー堤防)、栄町の新しい街作り事業と栄町矢口工専土地区画整理組合の土地区画整理事業の三者による共同事業として実施しました。
なお、建設省のスーパー堤防事業は昭和62年度から新規事業として始められたもので、ここ「矢口スーパー堤防」は、我が国第1号になります。
今までは、川と街は堤防という大きな壁で区切られていました。ところが、スーパー堤防化にすることで、水辺と緑の自然な場所へ近づきやすくなり、うるおいのある安全な街になります。

※工業団地が大きく広がっていたのは、この事業の一環だったのですね。

                                                                     

1970年代のようす。造成以前。                  2010年代のようす。工業団地化。

下流を振り返る。

        「ここから〈長豊橋にかけて〉矢口(やこう)スーパー堤防」。

こうして、現在歩いている「自転車道」(県道)の整備もそうした事業の一環であることを知りました。

が、はたして上記の碑文のようにいいことだらけでしょうか?

ここまで歩いてきた利根川の河川敷の様子を見ていると、「水辺と緑の自然な場所へ近づきやすくなり、うるおいのある」とは言いがたい印象ですが。

都内江戸川区篠崎地区でもスーパー堤防事業が展開され、反対する住民訴訟(最高裁で敗訴)があったりなど、莫大な事業費計画と膨大な年月がかかる事業への批判もあります。

「googleマップ」でスーパー堤防が完成した江戸川区篠崎地区を眺めると、空き地(事業用地)が目立ちます。移転を余儀なくされた住民が戻ってこない土地なのか? 

「スーパー堤防」事業は、都内の住宅密集地では、かなり無理があるような印象です。

さらに、この栄町のような工業団地造成という目的を兼ねた事業ではなく、洪水・浸水対策としても部分的(細切れ)改修事業となってしまう恐れが。また、これから先、さらに膨大な費用(何兆円)と期間(一説では200年かかる)とも言われています。

費用対効果はどんなものなのでしょうか?

足立区と北区にまたがる隅田川の新田地区では、スーパー堤防が整備されています。カミソリ堤防と不評だったコンクリート堤防が緑の堤防に生まれ変わり、治水の安全性に加え環境も大幅に改善されています。

右岸にかつての「カミソリ堤防」のモニュメント。

上流方向を望む。

          両岸は、高層集合住宅群。(左:北区、右:足立区)

(以上、以前、掲載したブログより)

 

大きく広がる田園地帯。

                       左奥に工業団地。

利根川の穏やかな流れ。

川面に映る対岸の木々。

「海から64㎞」ポスト。


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