百島百話 メルヘンと禅 百会倶楽部 百々物語

100% pure モノクロの故郷に、百彩の花が咲いて、朝に夕に、日に月に、涼やかな雨風が吹いて、彩り豊かな光景が甦る。

一夜明けて考えた。

2020年05月11日 | 空木宝剣

基本的人権や最低限の生活保障の為に、国民は税金という保険をかけている。

国家を保険会社に例えれば、今は総動員して、払い出しに奔走する時である。

一極集中の都会生活は、便利さはあるが、家庭という日常生活から「庭」を失なって、ただ寝るだけの「家」と、仕事場というスペースを往復する。

安部公房の「箱男」の面がある。

一極集中を、魚の群れとすれば、一網打尽は、後免である❗

遥か飛鳥の大宝-慶雲-和銅、奈良の霊亀-養老-神亀-天平-天平感宝-天平勝宝の時代を生きた聖武天皇(701~756)。

天然痘の感染で民がバタバタ倒れる不条理を目の当たりにして、一極集中を分散。

諸国に国分寺や国分尼寺を設置。

その要として奈良に東大寺を建立。

廬舎那仏という当時の青銅技術を駆使した巨大な大仏を納めた。

それほど、天然痘が大きな脅威であり、それを鎮めるには、沢山の祈りを受け止める巨大な仏様の鎮座を必要としたに違いない。


NO   EXIT(出口なし)  サルトル

2020年05月11日 | 空木宝剣

五月雨や コロナウイルス 流すべし

新型コロナウイルスの出口は❔
終息は❔

コロナという「壁」に閉じ込められた社会は、まるで水を奪われた魚の如くの閉塞感である。

サルトルは、「出口なし」で 閉じ込められた密室の中では、他人の存在が地獄だと表現した。

ジュネの、独房の囚人の頭は、三人に分裂する事をあらわした「泥棒日記」にも似ている。

長い歴史の上に築き上げた現代社会のつもりが、こんなに脆弱なものだったか❔

社会人という安心安全の地位。

テンニース(1855~1936)の言うゲゼルとゲマインシャフト。

つまり、なにかの原因で、利益社会が行き詰まりを生じた際には、共同社会に切り替える必要にせまられる。

封建時代にさえ、「駆け込み寺」や、意見具申の「目安箱」が存在した。

鎌倉時代には、永仁の徳政令。

元寇の役の論功行賞をやめたことによる、行き詰まり政策だった。

「金は天下の回りもの」お天道様が、あまねく陽を照らしたり、雨を恵んだりするように、天下国家は、資本をあまねく供給し、国民は、勤勉に仕事をして、その需要に応えるという循環が、正常な社会を構築する筈である。

全世界危急存亡の時。

経済凍結して、そのつけは、全て国家にまわすという「徳政国家観」を四の五の言わず、ワンツースリーで断行すれば、「出口あり」。