百島百話 メルヘンと禅 百会倶楽部 百々物語

100% pure モノクロの故郷に、百彩の花が咲いて、朝に夕に、日に月に、涼やかな雨風が吹いて、彩り豊かな光景が甦る。

2011 3.11

2017年03月10日 | 空木宝剣
春風や 地震雷 火事津波

2011年3月11日。
東日本を襲った大津波には、誰しも目を疑った。
生きものの如くに荒れ狂う海。
何百匹もの龍の群れが、空を海を陸を暴れまわるようだった。
海が襲ってくる
空が襲ってくる
山が襲ってくる
十二支の中で、唯一架空の生きもの龍が、この時ばかりは、現実の生きものとして思えた。
あれから6年の月日が流れた。
未だ龍の爪痕の癒えぬ東北の地に、もう一つの架空の生きもの、鳳凰が舞い降りて、聖徳の光を放つことを念じる。

井伏鱒二(1898~1993)

2017年03月10日 | 空木宝剣
雨あられ 木の芽山椒 魚となる

川の流れと時の流れ。
時間はどこから来て、どこへ帰るのか?
今日は、常に歴史のてっぺんにあるが、留まることは無い。
洞窟のイドラの如く、穴にはまった山椒魚は、外の景色を走馬灯のように受け止めるより他はない。
前を見れば後ろが消え、振り向けば前が消える世界。
井伏鱒二は、広島県福山の出身だが、戦前は、安那郡賀茂村粟根という地名だったとは知らなんだ。