わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

焼き物は壊れ物 40 器の補修 1

2014-01-29 17:00:00 | 焼き物の材料(原料とトラブル)

使用している焼き物が壊れた時、その破損状態(壊れっ具合)により廃棄処分にすべきか、補修

すべきかを考えます。特別高価な作品や、思い入れのある作品ならば、どの様に破損しても、完全

では有りませんがそれなりの補修して使う事も可能です。

1) 壊れる原因は以下のものが多いです。

   壊れには、「ひび」が入る程度から、完全に分離する「割れ」の状態まで色々な状況が出現します

  ① 落として割れる。当然落とす高さと、落ちた場所、作品の落ちる向き、器に料理や水が入って

   いるか等によって程度に差が出ます。

   一般には大きく3~数個に分かれて壊れる事が多いです。細かく数の多い物(粉々に壊れる)

   は補修が難しくなりますので、諦めて廃棄処分する事が多いです。

  ② 他の物にぶつけて割れる。  このパターンが比較的多いです。

   持ち運ぶ際、洗う際、収納の際など色々な場面があります。ぶつける相手も様々ですので一概に

   言えませんが、落とすよりも衝撃が少ない為、器などの隅部や、カップ類の持ち手などが破損し

   易いです。皿や丼などの食器の口縁の一部が欠損してもさほど使用に差しさわりがある訳では

   ありませんので、そのまま使い続ける事も良くあることですが、見た目が悪いです。

   唇に当たるご飯茶碗や、湯呑、ビールジョッキ、カップ類などは、欠けた部分を避けて使えば

   問題ありませんが、素地がむき出しに成り、やはり気になる処です。

  ・ カップの持ち手が取れたり割れたりした場合、使用が出来なくなる可能性も有りますので、

    補修すべきか、廃棄処分にすべきか迷うはずです。取れた場合は補修し易いです。

  ・ 「ひび」の入った焼き物は、使用しない方が安全です。なんらかの事情で「ひび」が拡大し割れる

    恐れがある為です。

2) 補修の方法。

   「ひび」の入った焼き物は、完全に「割れた」物よりも補修方法が限られます。

   接着剤が「ひび」の中に浸透する物を使うか、釉による再焼成の方法を取ります。

 ① 一番一般的で誰でも出来る方法は、陶磁器用の接着剤でくっつける事です。

   但し、割れて分割した数が少ない場合で、且つ割れた部品が全て揃っている必要があります。

   エポキシ系の二液性の接着剤で、100円ショップで販売している物で十分です。

  ) 5分硬化型と10分硬化型などあり、比較的短い時間で補修できます。

     チューブより押し出すと、刺激臭が有りますが、ニ液を混ぜる内に臭いは徐々に無くなります。

     揮発性ですので、硬化するまでは火気厳禁です。手順は以下の通りです。

    a) 接着面の汚れ(茶渋など)を落とし、水分と油などは拭き取っておきます。

    b) 二液はAとB液からなり、等量をチューブから搾り出し、付属の「ヘラ」でよく掻き混ぜます。

      混ぜる時間は約60秒程度です。

    c) 幾つかに分割して割れた場合、細かい部品同士から接着して行きます。

       大きい物から接着して行くと、全てのパーツが所定の位置に収まらなくなります。

    d) 接着面に均一に塗り伸ばします。お互い密着すると、接着面より接着剤がはみ出す程度が

      最適な量です。はみ出した物は拭き取るか、硬化後に削り取ります。

    e) 硬化するまで、動かない様にします。必ずしも、硬化を待って次の作品を接着する必要は

      ありません。硬化前に全てを接着しても、安定的(動かない様に)に放置できれば、次々と

      接着しても問題有りません。

    f) 接着剤には注意書きがありますので、良く読んでから行動に移して下さい。

  ) 瞬間接着剤について。この接着剤は大変便利なものですが、衝撃に弱い処がありますので、

     余り推奨できません。この接着剤は失敗しても再度やり直す事は困難です。

     使い方は、二液性の接着剤と異なり、部品同士をくっつけた状態で、接着液を垂らします。

     液を垂らす事で直ぐに接着完了です。

  ② 再度本焼きして釉で補修する方法。

以下次回に続きます。

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