3) 焼成方法や焼成温度、焼成雰囲気に関する事項。
⑨ 窯出し。
一般に窯は、特別な場合を除き、自然冷却するのが普通です。
外気温と完全に一致するまで、冷却するには相当長い時間が掛ります。但し、そうする利点は
ほとんど有りません。尚、冷える速度は窯の容量と、壁の厚さに関係し、外気温は僅かです。
逆に扉を開けるのが、早過ぎる場合には問題が発生します。
a) 窯の扉は何度に成れば可能か?
イ)ある人は窯の温度が300℃を切れば良いと言う人もいます。但しこの場合は、あくまでも
扉を開ける事であり、窯出しの意味ではありません。窯の扉を開ける事で、冷却スピードを
速めるのが目的です。
ロ) 300℃以上で強制的に窯の扉を開けた場合、作品が割れる恐れがあります。例え割れない
としても、釉に貫入(ひび)が入り易くなります。逆にこの現象を利用して、貫入の入った
作品に仕上げる事もできます。
ハ) 窯出しの温度の違いによって、上記貫入現象を除いて、釉の発色の違には、ほとんど関係
しません。
b) 窯出しの温度。
一般に100℃を切った状態の時に、窯の扉を開け直ぐに窯出しを行います。
イ) 窯の扉を開けると、外気が入りどんどん温度は下がります。但し作品は100℃近くの温度
ですので、火傷をしない様に、必ず長袖のシャツと軍手などの手袋を使う必要があります。
ロ) 窯の中でも、上部は100℃近くの高温ですが、下部は数十度下がっているはずですので、
出来れば、下部の作品から窯出しする方が良い様です。但し、上扉の場合には、上から
窯出しを行う事に成ります。
ハ) 人が窯の中に入って窯出しを行う窖窯(あながま)等の場合には、窯の温度が約40℃
以下に成らなければ危険です。
c) 窯出し時の注意点。
イ) 焼き上がりを確認します。窯の扉を開ければ、自然と窯の中の様子を知る事が出来ます。
壊れた作品や、倒れ掛かった作品、釉が棚板まで流れ落ちた作品、更に釉の色具合などが
目に入ってきます。大きな窯の場合には、奥の作品は見えませんが、おおよその事は予想
出来るはずです。後で記録し参考にする必要がありますので、全体の様子を見てから本格的
な窯出しに入ります。
ロ) 作品は両手で取り出す。窯詰めした時より、作品は焼き縮んでいます。作品間の隙間は
広がっていますので、両手で掴めるはずです。片手の場合手が滑って取り落としたり、
隣の作品や窯の壁などにぶつかり、破損する恐れがありますので、慎重に外に出します。
ハ) 意外と多い事故に、棚板の裏側に支柱が貼り付き、棚板を外に取り出す際に、支柱が
棚板から剥がれ、下の作品の上に落ちる事故です。その際、作品が棚板上から落ちたり、
作品の角が破損し易いですので、支柱が貼り付いていない事を確認します。
ニ) 釉が棚板まで流れ落ちている場合は、棚板ごと外に取り出します。
棚板には、アルミナコーチングが塗ってありますので、棚板の後ろから木槌などで叩くと
割合簡単に剥がれます。但し、作品の底には、コーチングがこびり付いています。
こびり付いた物は、「グラインダーやダイヤモンドヤスリ」等で削り取る事に成ります。
又、作品同士がくっ付いてしまった場合でも、外に出してから離す事です。
多くの場合、一方は助かりますが、他の片方は壊す事が多いです。
ホ) 作品は一つづつ「割れやひび」の有無を確認し、釉の熔け具合や発色も確認します。
大切な事はその作品がどの釉を掛け、どの位置で焼成したかと言う事です。次回の参考
に成ります。
ト) 窯出し場所が狭い場合には、窯出しした作品を重ね合わせる事です。その際、作品間に
紙を一枚敷いておくと、作品同士が直に接触せず傷付く事はありません。
又、窯出し直後の作品は、雨に当てない事です。
チ) 窯出し直後に「ピンピン」と音がします。これは外気温に触れて、釉が収縮し貫入が
入る事でおきます。窯出し直後が一番多く、次第に少なくなりますが、4~5日後でも
鳴る場合があります。
⑩ 窯出し後の処置。
以下次回に続きます。
⑨ 窯出し。
一般に窯は、特別な場合を除き、自然冷却するのが普通です。
外気温と完全に一致するまで、冷却するには相当長い時間が掛ります。但し、そうする利点は
ほとんど有りません。尚、冷える速度は窯の容量と、壁の厚さに関係し、外気温は僅かです。
逆に扉を開けるのが、早過ぎる場合には問題が発生します。
a) 窯の扉は何度に成れば可能か?
イ)ある人は窯の温度が300℃を切れば良いと言う人もいます。但しこの場合は、あくまでも
扉を開ける事であり、窯出しの意味ではありません。窯の扉を開ける事で、冷却スピードを
速めるのが目的です。
ロ) 300℃以上で強制的に窯の扉を開けた場合、作品が割れる恐れがあります。例え割れない
としても、釉に貫入(ひび)が入り易くなります。逆にこの現象を利用して、貫入の入った
作品に仕上げる事もできます。
ハ) 窯出しの温度の違いによって、上記貫入現象を除いて、釉の発色の違には、ほとんど関係
しません。
b) 窯出しの温度。
一般に100℃を切った状態の時に、窯の扉を開け直ぐに窯出しを行います。
イ) 窯の扉を開けると、外気が入りどんどん温度は下がります。但し作品は100℃近くの温度
ですので、火傷をしない様に、必ず長袖のシャツと軍手などの手袋を使う必要があります。
ロ) 窯の中でも、上部は100℃近くの高温ですが、下部は数十度下がっているはずですので、
出来れば、下部の作品から窯出しする方が良い様です。但し、上扉の場合には、上から
窯出しを行う事に成ります。
ハ) 人が窯の中に入って窯出しを行う窖窯(あながま)等の場合には、窯の温度が約40℃
以下に成らなければ危険です。
c) 窯出し時の注意点。
イ) 焼き上がりを確認します。窯の扉を開ければ、自然と窯の中の様子を知る事が出来ます。
壊れた作品や、倒れ掛かった作品、釉が棚板まで流れ落ちた作品、更に釉の色具合などが
目に入ってきます。大きな窯の場合には、奥の作品は見えませんが、おおよその事は予想
出来るはずです。後で記録し参考にする必要がありますので、全体の様子を見てから本格的
な窯出しに入ります。
ロ) 作品は両手で取り出す。窯詰めした時より、作品は焼き縮んでいます。作品間の隙間は
広がっていますので、両手で掴めるはずです。片手の場合手が滑って取り落としたり、
隣の作品や窯の壁などにぶつかり、破損する恐れがありますので、慎重に外に出します。
ハ) 意外と多い事故に、棚板の裏側に支柱が貼り付き、棚板を外に取り出す際に、支柱が
棚板から剥がれ、下の作品の上に落ちる事故です。その際、作品が棚板上から落ちたり、
作品の角が破損し易いですので、支柱が貼り付いていない事を確認します。
ニ) 釉が棚板まで流れ落ちている場合は、棚板ごと外に取り出します。
棚板には、アルミナコーチングが塗ってありますので、棚板の後ろから木槌などで叩くと
割合簡単に剥がれます。但し、作品の底には、コーチングがこびり付いています。
こびり付いた物は、「グラインダーやダイヤモンドヤスリ」等で削り取る事に成ります。
又、作品同士がくっ付いてしまった場合でも、外に出してから離す事です。
多くの場合、一方は助かりますが、他の片方は壊す事が多いです。
ホ) 作品は一つづつ「割れやひび」の有無を確認し、釉の熔け具合や発色も確認します。
大切な事はその作品がどの釉を掛け、どの位置で焼成したかと言う事です。次回の参考
に成ります。
ト) 窯出し場所が狭い場合には、窯出しした作品を重ね合わせる事です。その際、作品間に
紙を一枚敷いておくと、作品同士が直に接触せず傷付く事はありません。
又、窯出し直後の作品は、雨に当てない事です。
チ) 窯出し直後に「ピンピン」と音がします。これは外気温に触れて、釉が収縮し貫入が
入る事でおきます。窯出し直後が一番多く、次第に少なくなりますが、4~5日後でも
鳴る場合があります。
⑩ 窯出し後の処置。
以下次回に続きます。
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