向田邦子 -脚本家と作家の間で-

2013-07-24 15:10:25 | 日記

文藝別冊 KAWADE夢ムック   河出書房新社刊

少し気分を変える積りで手に取った。同社のこのシリーズは、故人となった作家の人となり・作品について、様々な人々がどう評価していたか、どんな人物だったのかが多面的に分かるので便利している。
それにしても、向田邦子が亡くなって30余経ったのか、という想いが先に立つ。私は小説やエッセイ・対談しか読んでいないが(彼女のТVドラマが放映されていた頃は勤め人で、碌に観た事がない。なにしろ高度経済成長期に突入していた時期なので)。
しかし、しゃっきとした無駄のない文章を書く・話す人だった。勿論、その話題やテーマは充分分かる世代だったこともあるが…。本書が収録した各人の文章を読むと、その感が一層深い。もう、この手の機微に渉ったものを書く人は出ないだろうな。というか、それに共感できる読者が稀少なったのかもしれない。
まだ、若かったのに……。
結局、気分を変える積りが、書棚を漁って迷いながら一冊を手に取って読み更ける破目になった。


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