飛鳥の都  シリーズ日本古代史③

2011-05-21 14:59:55 | 日記
吉川信司著  岩波新書

最近の考古学の成果は目覚しいものらしい。新聞の報道では継続的には追っていけないので、素人にはなかなか分かりにくいのだが…。
シリーズ③は、飛鳥の都である。時期的には7世紀ということになる。8世紀初頭の701年に大宝律令の成立をもつて、国号は「日本」になるので、「倭時代」の最後の世紀ということになる。
このシリーズの白眉は、発掘された遺跡資料から『日本書紀』の記述が従来言われていたほど創作に満ちたものではなく、かなり事実を伝えているという指摘ではなかろうか。そして、もうひとつは中国、朝鮮半島の歴史と当時の日本の情況とをつぶさに照合し、ヤマト政権の動静はそれらと不可分の形で成立したと指摘している点だ。
更に、面白い指摘があった。最近の遺跡の発掘で木簡が発見されているのだが、これらに書かれた文字から「日本語」の成立過程も辿れるのではないか、というのである。私達は教科書にいきなり「万葉仮名」と出てくるのを少しも不思議に思っていなかったが、中国から渡来した漢字をどのように換骨奪胎して万葉仮名を作ったのか、そのプロセスが分かるかも知れないそうだ。
つぎは、シリーズ④にチャレンジ。

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