再び、立ち上がる!  河北新報社、東日本大震災の記録

2012-02-16 15:02:23 | 日記

河北新報社編集局著  筑摩書房刊

前書『河北新報のいちばん長い日』 を読んだ以上、読まざるを得ないではないか! という理由(わけ)で、読んだ次第。
まずは、ご苦労様と言いたい。被災地を本拠とする河北新報としては、これはぜひともするべき仕事であったし、それを実践した努力は素晴らしい。しかし、辛かったでしょうね。「あの時、もう一歩踏み込んで取材していたら」「なぜ、あの時そこまで気がつかなかったのか」そんな気持で取材したのに違いないと思う。その気持はよく分かる。でも、中央のメディアが次から次へとテーマを変え、事件を風化させていったのと違い、その地道な取材姿勢は充分評価されていい。
特に「検証」というスタンスを取ったのがいい。規則やルールを作れば事足れりというわけではないことが、読んでいてよく分かる。この報道が地震報道や鉄道の運行ルールの改正に結びついているのではないか。だとすれば、以って瞑すべしではないか。しかし、人間というのは身勝手なものである。経験も風化すれば、自我が優先してしまう。その結果もたらせた悲劇は目を覆うばかりだ。
この検証作業をこれからも継続していって欲しい。まだまだ問題は山積している。政府が打ち出す対策が十全なものかどうかは、この検証作業が明らかにしてくれるだろうからだ。政府と中央官庁には言いたいことが山ほどあるが、それは言いまい。「出来るだけのことはやった」なんてセリフは、政治家の辞書にはない筈だ。

 

 


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