特集 「数学は美しいか」  『考える人』2013年夏号

2013-07-06 16:24:46 | 日記

新潮社刊

私はこの特集を楽しく読んだ。だからと言って、私が数学に強いというわけではない、唯、余計なものを剥ぎ取って(捨象して)定理にもっていく、その数学者の精神構造に憧れるのだ。「だから、それはどういうことなのだ?」という執こさが好きなのだ。
数学は難しい、という人は多いと思う(私もその一人だ)。しかし、次の数行を読めば怖るるに足りないと思う筈だ。「古代メソポタミアで数字が使われはじめてから5000年、ピタゴラスからはまだおよそ2600年である。人類史から見れば歴史の浅い営みであるから、脳には『数学をするための部位』などもちろん用意されてはいない」(59頁)。つまり、誰にでも挑戦するチャンスはあるということだ。
この特集のひとつに、日本の算額の話が出てくる。江戸時代の人々の知的ゲームだったが、その誰もが数学者というわけではなかった。商人や僧侶、中には子供もいた。それどころか、日本人ならば誰でもできる折り紙は、幾何学の粋を集約したものだ。そう、少なくても我々には数学を楽しめる素質があるのだ。
面白いですよ!


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