パンデミック新時代  ー人類の進化とウイルスの謎に迫るー

2012-12-25 15:26:28 | 日記

ネイサン・ウルフ著   NHK出版刊

もしかしたら、かなり怖い本を読んでしまったのかもしれない。
まずはタイトルから。バンデミックとは、感染症が世界的規模で流行すること。例を挙げれば黒死病(ペスト)、鳥インフルエンザ、かつての天然痘(撲滅された)等。これに対して、特定の地域や集団での流行はアウトブレイクという。エボラウィルス出血熱、ラッサ出血熱等。HIV(エイズ)はアウトブレイクからバンデミックに昇格(?)した感染症だと言える。
怖いのは感染症を媒介するのが、ウイルスだということである。ウイルスは微生物の中で最小なものだ。つまり、容易には発見できないということ。しかも、未知のウイルスはとてつもなく多い。ということは、いつアウトブレイクしたり、最悪の場合はバンデミックに至る感染症が起こる可能性が何時でもあるのだ。
この最大の要因は我々の食生活にある。ごく最近の例でいえばBSEであろう。その詳しい経過は本書を読んでほしい(タイトルの「新時代」とは、このことを指す)。
著者も言う。「微生物の脅威について考えると、私は眠れなくなる」。私もこれを読んで怖くなった。極端なことだが、望むと望まざるを得ず、ヒトはウイルスの培養器なってしまったのかという恐怖に襲われたのである。

 


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