小泉武夫著 亜紀書房刊
知っていることが多かったけれど、何時も通り楽しんで読んだ。なにしろ、著者は世界中を飛び回って珍しいもの、グロテスクなものを実際に試食しているところが凄い。さすが「味覚人飛行物体」のニックネームに恥じない。その根底には人が食べているものは、喰えるという思想があるからだろう。それにしても、毎度ながら「そんなにおいしかったけ、また食べたい!(私の場合は大半が日本のものだが)」と思わせる書き方が上手い。今回も鮒酢、蜂の子の瓶詰め等々メモしてしまった。
初めて知った事もある。「サラリーマン」の語源がソルト(塩)だということは知っていたけれど、パプアニューギニアには「塩灰」というものがあるそうで、昔はこの塩灰を竹の筒に包んでお金の代わりにしていたそうだ(166頁)。知らなかったなぁ。
唯、これらの事を今の学生に教えるにはかなりの情熱がいるだろうな、と思った。今の若い人達の食生活は一見豊かだけれども、奥行きがないものなぁ。
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