末国善己著 辰巳出版刊
本書を要約すると、歴史上に登場する男女69人の風説・スキャンダルを集めた本。内容的には日本史に詳しい人ならば、真偽はともかく知っていることが大半である。しかし、これで「…日本史」というタイトルを付けるのは勇み足だろう。しかし、これだけ集めると、それなりの面白さはある。ただ、外国には類書がごまんとあるので新規さはない。
もうひとつは、渉猟する範囲が狭いことだ。例えば、源頼朝を取り上げるならば、平清盛と建礼門院のスキャンダルも取り上げていい。なにしろ黄表紙になったくらいなのだから。同じように、井伊直弼と長野主膳と愛人の三角関係も面白いのに。但し、明治以降は、完全にスキャンダルで、「…日本史」というタイトルには遠い。もう少し、文献の渉猟範囲を広げて欲しかったし、深みがあってもよかった。せめて、200組くらいは…。出版するのには、早すぎたというか中途半端だ。
とは言え、気晴らしに読むには面白い。
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