プレジデント・クラブ  -元大統領だけの秘密組織-

2013-06-04 15:25:27 | 日記

ナンシー・ギブス/マイケル・ダフィー著   柏書房刊

サブタイトル通り、アメリカの元大統領経験者だけのクラブ(サブタイトルには、秘密…とあるが公認の組織らしい)。このクラブの歴史はそれほど古くはない(31代・ハーバード・フーヴァー、1993年かららしい)。
このクラブの主旨は分かり易い。「米国大統領は、時に党利党派おのれの信条を別にして、国家・国民のために決断しなければならない。その孤独感、心境の迷いは経験者にしか分からない。そうであるならば、我々も党利党派おのれの信条を捨てて大統領を助けようではないか」というものだ。この心境はトップに立った人間ならば同感できる筈であるが、ここまで「無私」に協力できるのは、国家と国民の将来を決める大統領という職の経験者だけだろう。勿論、すべての元大統領がそうだったというわけではなさそうだ。しかし、こうしたシステムがアメリカの永続したスタンスを維持できた理由でもある。
翻って日本。明治・大正・昭和の初期まではそれらしきものがあった。「元老」制度である(あまり上手くはいかなかったが…)。しかし、今の時代にそれらしきものがあるのかどうか、私は知らない。ましてや、そのメンバーは想像できない。
とにかく、これまでのアメリカの政治史とは一味も二味も違う面白さがある。ライバルだった元大統領が、現大統領のために特使を買って出て世界中を飛び回る。しかし、本音は「彼は好きじゃない。しかし、アメリカのためだ」と呟く元大統領は、結構恰好いい。
日本の政治家、とくに最近の政治家、ガキですねぇ。


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