ゲノムと聖書ー科学者、<神>について考えるー

2011-02-01 16:43:19 | 日記
フランシス・Sコリンズ著  NTT出版
本書は、先に紹介した『遺伝子医療革命』の著者が2006年に発表したものである。タイトルが奇異に思われるかもしれないが、キリスト教徒が圧倒的に多い欧米では、科学者(物理学者、生物学者、遺伝学者等々)にとっては、避けてと通れない問題であるようだ。
「ビッグバンの前には何があったのか」「地球上の生命の起源」「進化ー理論か事実か?」「創世記は本当は何を語っているのか?」「神はペテン師?」。目次を見るだけでワクワクしてしまう。つまり、科学者にはこれら全ての問題について、「神」と「科学」とがどう折り合いをつけるかという問題がついてまわる。
この宇宙、地球、人間を創った者がいたのか、それとも微妙な均衡の下に自然発生的誕生したのかという問題である。福音派のピューリタンでもある著者は、神と科学は少しも矛盾しないと言い切っている。
無神論者にとっては、どうでもいい問題かもしれない。しかし、胚性幹細胞(ES細胞)の研究ではブッシュは「ES細胞は人である」という理由で研究を禁止してしまった。(オバマは復活させた)。こうなると、関係ないとも言ってはいられない。遺伝子医療や日本発のIPS細胞の研究に支障を来たすことになる。欧米の科学者にとっては、この問題は踏み絵のようなものだろう。
私には、「神が何故宇宙や地球、人間を創り出さなければならなかったのか」、その根本のところがよく分からない。怒られるかもしれないが、神は独りで居るのが淋しかったか、よほど退屈していたのではないか、と思ってしまう。特に人間は厄介だ。きっと、後悔してるのではないか。

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