遺伝子はダメなあなたを愛してる

2012-05-14 14:38:40 | 日記

福岡伸一著  朝日新聞出版刊

日常的にふと疑問に思うことを、生物学者の立場からわかり易く答えてくれる本。素人が往々にして誤解していることについて、その間違いを丁寧に解説してくれる。
例えば、最近話題になっているコラーゲン。実は人間に必要なヒトコラーゲンタンパク質は、人間の体の中でしか作られない(アミノ酸の組成が違う)。したがつて、今流行のコラーゲンサプリメントは体内では、異物扱いされて排泄されてしまうそうだ(つまり、無駄ということ)。
こうした事例がたくさん載っている。カフェインはコーヒーや紅茶・お茶だけでなく、自動販売機で売られている缶飲料にもタップリ入っているので要注意。カメとスッポンは同じ種類か等々。ただ、質問と答えが噛みあっていない。当たらずともずとも遠からずなのだが、質問と答えのレベルが違いすぎるので、はぐらかされた気になる人もいるかも知れない。
要するに編集の問題なのだが、著者が答えの冒頭に「この質問は、結局こういうことなので、それについて説明します」といった操作が必要ではなかったか? レベルの差に橋を架けてあげる必要があったように思う。


コメントを投稿