ジェシカ16歳 夢が私に勇気をくれた

2013-03-22 08:43:40 | 日記

ジェシカ・ワトソン著   書肆侃侃房刊

本書はタイトル通りオーストラリアの少女が16歳の誕生日に船舶免許を取り、17歳の誕生日前に210日間、ピンクのヨットで4万3千キロを単独・無寄港・無支援世界一周を成し遂げた、決意した日から準備・資金獲得、そして無事帰港するまでの手記である。
文字通り、波瀾万丈(洒落ではない)に富んでいて、とくにヨット好きな人ならば首肯して読むこと請け合いである。勿論、16歳の拙い文章であるが、彼女は航海中に書いたブログを元に執筆していてゴーストライターは使っていない。
誰にでも出来ることではない。計画を遂行する強い意志、準備と訓練をする努力、そして、支援者に好感される人柄・性格が、とても大事なことであろう。それを支えたのは先輩からの「十分に考えた後に決断するなら、それが間違っていても、少なくても後悔はない」というアドバイスだったそうだ。
しかし、だ。「誰にでも出来ることではない」ということは、言い換えると「誰も、が、出来る」ということだ。この発想の転換が出来るかどうかが、スタートポイントなのかも知れない。
最後に蛇足だが、「日本の読者の方へ」の末尾「Good luck and fair winds」を「幸運を、そして、良い航海を!」と訳されているが(間違ってはいないが)、私の記憶では帆船時代から船乗り達は「良い風に恵まれますように」というのが、出航する仲間への挨拶の慣用句だったと思うのだが、違っていただろうか?


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