瀬戸内の海賊 -村上武吉の戦い-

2015-11-30 16:08:38 | 日記

山内 譲著  新潮選書

海賊、つまり水軍の消長を村上武吉を中心に時系列的、遺跡や古文書を含めて記述した本。私は初めて読んだ。勿論、瀬戸内の海賊に関してだが…。その経緯については知っている積りだが、著者の主旨とは矛盾するがひとつ気になることがある。
江戸幕府成立後、水軍は極度に制限されたが(西国の一部を除き。いや、薩摩藩は海賊行為を継続していたか)、代わって商船が活躍した。大坂ー江戸間は当然として、東廻り、西廻り、九州・四国航路と、北海道の松前まで。日本列島をぐるりと商船が行き来した。この航海を担った人達の中には海賊の生き残りが多数いた筈だと思うのだが、どうだろうか?
著者に期待したいのは、武士化した海賊ではなく、水夫、船頭、船大工達の「その後」である。多分、その一部を担っていたと思うのだが。著者の意図とは違うテーマなのは分かっているが、そこにも触れて欲しかった。


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