アイシュタインの望遠鏡

2012-05-25 14:28:09 | 日記

エヴァリン・ゲイツ著  早川書房刊

サブタイトルは「最新天文学で見る『見えない宇宙』」。
アインシュタイン望遠鏡をつくった、という話ではない。簡単に言えば、アインシュタインの相対性理論(重力を含む)を数学的処理をすることで、世界各地の望遠鏡で撮影した宇宙写真から、宇宙の真の姿が見えてきたということだ(勿論、コンピュータ処理をしてだが…)。
何故、望遠鏡? と思うかも知れない。チョット詳しい人ならば、平行線を限りなく延長したならばいずれ交わる、というアインシュタインの理論に気がつく筈だ。つまり、光もそうなのだけれど、要するに重力によって屈折する。ということは、撮影されたデータをアインシュタインの相対性理論の数式に合わせて処理すれば「望遠鏡で見た宇宙」が見られるということだ。
大雑把に言えば、地球は、著者が言うところの「アインシュタインの望遠鏡」で覆われているということらしい(これ以上の説明は私の手に余る)。
それにしても、口絵のカラー写真がすばらしい。本当に宇宙はこのように見えるのか? 戸惑いをもってしまう。
しかし、本書のメインテーマはこれだけではない。こうした写真を分析した結果、宇宙の組成は我々が知っている元素(これまで見つかっているのは118個)で出来ているのは僅か5%でしかない。あとの23パーセントがダークマター(正体は分かっていない)、そして72パーセントを占めているのがダークエネルギー(これになると、物質なのか、それともまったく別のものなのかも分からない)。
ここに至って、素人は途方に暮れる。しかも、宇宙は今も膨張し続けているそうだ(星や星雲は太陽系からどんどん遠くなっているということ)。つまり、宇宙に果てはない! これは我々の想像力を超える。
結論。石川五右衛門ではないが、「この世は小せい、小せい!」。暫くは、日本の政治家の阿呆さ加減を忘れることが出来る。

 




 


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