山形優子フットマン著 講談社刊
三十年という歳月は無視できない(著者は在英三十年)。著者の言いたいことは良く分かるし、当を得ていると思う。
しかし、日本のこの三十年の変化を時系列的につぶさには見ていないと思う。そこに、微妙な英国贔屓が見え隠れしているように思えてならない。繰り返すが、著者の指摘に異論はない。しかし、指摘いる日本・日本人がステレオタイプすぎて新鮮味がないのだ。一方の英国に対する分析に比べ精緻さが薄い。
声高に言われていないだけで、日本人も十分にグローバル化している。なるほど、英国はコスモポリタンの国であるけれど、日本もそれなりにコスモポリタン化している。著者の指摘する日本人とグローバル化した日本人が、二極分化していて、しかもそれが並存している国が日本なのだ。
面白い本だけれど、違和感も残る本。
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