江戸の理系は世界水準!(東京人 13年2月号) 古代日本の超技術 改訂新版(ブルーバックス)志村史夫著

2013-01-08 15:15:14 | 日記

最初に読んだのは「東京人」のほうである。江戸時代の多分野、からくり、測量・地図、本草学、染色、遺伝学、発酵、和算、天文暦学、医学、砲術、土木・建築に亘るジャンルに於ける世界水準(中には世界に先駆けて)の仕事を成し遂げた人々の話である。
例えば関孝和は西洋より早く行列式やベルヌーイに先じてベルヌーイ数を発見したし、なんとオイラー関数を本人よりも先に発見した久留島義太、円周率を小数点以下49位まで計算した人もいた。考えてもほしい。算盤と算木しかない時代の話である。
その流れで後書を読んだ。これは古代から日本が独自に開発・発展させてきた技術のはなしである。著者は半導体の研究・開発者。その最先端の科学者が、昔の日本人のテクニックに素直に驚いている。それどころか、現在の技術がそれに及ばないことも指摘している。
翻って考えたいのは、今の教育制度である。かつての中国の点取り主義の科挙に似てはいないか。何時、何処で、誰がミスリードしたのだろうか? 勿論、優秀な学者や技術者はいる。しかし、底辺が浅いのだ。それに不安を感じる私は……いや、言うまい。


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