発掘された日本列島2011   新発見考古速報

2011-06-22 15:16:23 | 日記
文化庁編   朝日新聞出版

最近、何度か日本の古代史、あるいは日本史全般について、古墳、遺跡の発掘が進み、これまでの推測、憶測から具体的な裏づけが進み、史実が明らかになってきたと書いてきた。
本書は、文化庁が2011年6月現在である程度評価の定まった遺跡の調査報告である。別に難解な学術論文ではない。カラー印刷でかなり平明な解説が付されている。素人にも分かり易い案内書である。
それにしても、である。教科書で習った時には、石器時代→縄文時代→弥生時代→古墳時代→飛鳥時代……と続くはずだった。現在では縄文時代だけでも、草創期、早期、前期、中期、後期、晩期と細分化されている。弥生時代・古墳時代も前・中・後期に細分化されている。勿論、細分化されたのには理由がある。
これまでは、畿内を中心に九州など西日本が文化的進んでいて、東北は遅れた地域というのが定説であったが、そうではなく日本列島全体に文化的交流があった事が分かる。当たり前というか、こんな小さな国土だもの、その方が当然だと素人の私は思ってしまうのだが……。
小難しい解説もなく、しかもビジュアルで楽しめる本。付言すれば、ここに掲載された出土品は東京、新潟、静岡、九州、高知で巡回展示されるそうである。

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