文庫  小さな本の大きな世界

2014-07-15 16:04:12 | 日記

『考える人』  2014年夏号  新潮社刊

今回の特集。表紙と14ページの写真を見て驚いた。背といい、表紙といい、とても文庫とは思えない作りなのだ。新潮文庫、第一期の装丁である。神田に今すぐ行って探したいと思ったほどだ。今の文庫とはまるで違う。当時の出版社の文庫に対する意気込みが伝わってくる。
特集では文庫の歴史から体裁、出版ジャンルまであらゆる分野が網羅されている。中には、文庫の書体、字詰め、行数、版面を各社別に比較した記事まである。門外漢にはあまり興味はないかも知れないが、読み易いのはどれか、自分に馴染みがあるのはどこの社のものかは分かるだろう。元編集者としてはこの記事が面白かった。
勿論、国内だけではなく世界の文庫の歴史にも触れられている。意外と文庫の歴史はふるいのだ。ここもとても面白い。とくにペンギンブックスについては想い出が深かったので、懐かしかった。
何気ない文庫だけれど、それぞれに一家言持っている人も多いと思う。一度読んでみては!