東京「スリバチ」地形散歩 ー凹凸を楽しむー

2012-06-19 08:23:03 | 日記

皆川典久著  洋泉社刊

本書の白眉は3Dマップではないだろうか。等高線では素人に分かりにくいが、この地図は本書の意図にピッタリだと思う。
ところで、著者が言うところの「スリバチ」状態の地形は、東京育ちの私には良く分かる。つまり、イメージではなく確かな記憶として残っている。東京オリンピック以前の東京は丸の内や銀座、突然出現した団地を別とすれば、平屋か二階建ての家々が地面に張り付くように建っていたので、容易に地形は見て取れたからだ。
しかし、私は新宿を住いとしているが、他所から来た人には歌舞伎町が窪地(スリバチの底)だと分かる人はまずいないだろう。その最深部の広いこと。旧字名に砂利場なんて名称があるなんて、新宿という地名からは想像できないだろう。
唯、この3Dマップを改めて見ると、「首都圏下の震災」の結果が正に3Dで見えてくるのが怖い。生きている間は無事であることを祈りたい。