食事は手のリハビリ

特別支援学校では、毎日給食があります。
ゆうやは、先生に手伝って頂いて給食を食べています。

給食では毎日牛乳が出されます。
牛乳は１人１本です。
入学したころは、牛乳瓶からコップに移してストローで飲んでいました。

今は、まず牛乳瓶の蓋を開けるところから練習させて頂いています。
もちろん先生に手伝って頂きながらですが、蓋を開けたら、牛乳をコップに移さずに瓶のまま飲む練習もしています。
牛乳瓶を握って持ち上げ口に運ぶのも、バランスが崩れたらこぼれてしまいます。

無事口まで運べたら、今度は適度に傾けなければなりません。
そして口に流れ込んだ牛乳をこぼさずに飲み込む必要があります。

これはゆうやにとって、とても難しいことでした。
１０年以上練習を積んで、だんだんとできるようになってきました。

また、パンも自分で食べることがいいリハビリとなります。
そしてご飯の日は、スプーンでご飯をすくうことが、非常にいいリハビリとなるのです。

入学してからずっと、ご飯用にと家から特別の容器を持参していました。
最近は、その容器に移さずに、出された食器を使用して食べる練習をしているそうです。
学校の食器も障害児が食べ易い形状をしていますが、ゆうやは最初は、その容器で食べることができなかったのです。

練習に練習を重ねて、皆と同じ食器で食べることができるようになってきました。
まだまだ練習中ですが、ゆうやはとても嬉しそうです。

「お母さん、ぼく、学校のお皿で食べているんだよ♪」

私は、家から持参していたお皿を食器棚に仕舞いました。
食べる時にはボロボロ沢山こぼすけれども、ゆうやの嬉しそうな顔を見ると、ゆうやの中で達成感があるようです。

ゆうやの食べ方には、作法はありません。
とにかく必死で食べるのみです。
ゆうやが食べているところを見ていると、生きる力を感じます。
そして食べる行為が、リハビリに直結しています。
食事は、ゆうやにとっては楽しみな手のリハビリですね。

「今日の晩ご飯何ですか～？」
ちょっと今夜のメニューは食べにくいけれど、頑張って食べようね。


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